(左から)NTT 代表取締役社長 社長執行役員 島田明氏、常務取締役 常務執行役員 CCXO Co-CAIO 研究開発マーケティング本部長 大西佐知子氏、執行役員 研究企画部門長 木下真吾氏
NTTは2025年10月20日に記者説明会を開催し、NTT版独自のLLM(大規模言語モデル)であるtsuzumiをアップグレードした「tsuzumi 2」の提供開始を発表した。
2024年3月に商用サービスを開始したtsuzumiは、パラメータサイズが7B(70億)と軽量ながら、高い日本語性能を備えているのが特徴だ。代表取締役社長 社長執行役員の島田明氏によれば、2025年第1四半期(1Q)時点での受注件数は、1827件(国内:521件、海外:1306件)にのぼる。
また、1Qにおけるtsuzumiの受注実績は670億円に達し、2025年度は前年度比244%増の1500億円、2027年度は5000億円超を見込む。受注構成比は、国内では公共が約3割、金融が約2割を占めているという。
tsuzumiの受注件数は1800件を突破
数倍大きなモデルと「遜色ない」日本語性能
そして今回新たに発表したtsuzumi 2では、パラメータサイズを30Bへ拡張し、さらに3つの性能向上を図った。その1つめが、日本語性能のいっそうの向上だ。
ビジネス領域で主に重視される「知識」「解析」「指示遂行」「安全性」という4つの基本性能に関するベンチマークでは、GPT-oss 20BやGemma-3 27Bといった同サイズのモデルや、GPT-oss 120BやLlama-3.3 70Bなどの「tsuzumiより数倍大きなモデルと比べても遜色ない日本語性能を誇る」とNTT 執行役員 研究企画部門長の木下真吾氏は説明した。
「知識」「解析」「指示遂行」「安全性」という4つの基本性能を強化
説明会では、契約書とチェックリストをtsuzumi 2に読み込ませ、契約書の問題点を指摘するデモが行われた。チェック項目別にリスク判定を行い、そのうえで取るべきアクションを提案してくれる様子を確認できた。
また、「ニュースリリースの素案を改善してほしい」という依頼に対して、冗長な表現の削除や専門用語の補足、全角・半角の統一など、的確な修正が行われていた。