NTT西日本は2025年9月18日に記者説明会を開催し、9月16日に発生した通信障害の原因と再発防止策について説明した。
今回の通信障害は、9月16日15時45分頃から16時36分にかけて発生し、大阪府・京都府全域と兵庫県の一部地域が影響を受けた。固定電話は最大116万回線(大阪:79万、京都:26万、兵庫:6万)、ひかり電話は最大111万回線(大阪:81万、京都:26万、兵庫:8万)が利用しづらい状況が続いた。
また、東海エリア(愛知・岐阜・三重・静岡)でも緊急通報がつながりにくい状況が発生。加えて、西日本全域で電話系の一部付加サービスや、閉域ネットワーク型データ配信サービス「フレッツ・キャスト」を利用した一部映像サービスを利用できない状態となった。
通信サービスへの影響について説明するNTT西日本 執行役員 設備本部 サービスマネジメント部長 奥田慎治氏
関西エリアで発生した通信障害は、通話の開始から終了までを制御・管理する「呼制御サーバー」への接続ができなくなったことが原因にあると、NTT西日本 執行役員 設備本部 サービスマネジメント部長の奥田慎治氏は説明した。
同氏によると、通信障害が発生した時間帯にセキュリティサーバーの更改作業を実施していたが、その際にサーバー接続用のスイッチに誤った設定を行ったという。このスイッチをサーバー収容ルーターに接続したことで、「ブロードキャストストームと呼ばれる大量の制御信号が発生した。サーバー収容ルーターは冗長化していたものの、現用・予備ともに高負荷状態となり、結果として呼制御サーバーへの接続ができなくなった」。
通信障害の発生原因(関西エリア)
東海エリアの緊急通報が利用できない状況が続いた件については、「信頼性向上のため、東海エリアと関西エリアに設置した呼制御サーバーを、発信のタイミングに応じて交互に利用できる仕組みをとっていた。しかし、関西側の呼制御サーバーが使われた場合には、緊急通報がつながらない事象が発生した」と奥田氏は話した。
通信障害の発生原因(東海エリア)
西日本全域で付加サービスや映像サービスに影響が出た件に関しても、「これら2つのサービスを制御するサーバーを関西に設置していたが、サーバーとの疎通が失われたことで利用できなくなった」という。