エヌエスティ・グローバリストは2025年9月10日、中山間地や地下施設といった通信困難地域でも運用可能なIoTソリューションを本格展開すると発表した。
複数の通信手段を最適に選択できる「PRIME-WAVE」、電波の届きにくい環境からでも画像送信を可能にする「SR-IMAGE」、一般的なLPWAと比べて長距離通信を実現する「高出力・高感度LoRa無線システム」、さらに省電力対策を組み合わせた4つの製品・サービスを統合して提供する。
通信困難エリアの例
中核となるプライベートLoRaは、250mWの高出力と高感度受信により見通しで約10kmの通信を実現し、12段の多段ホップ機能によって山間部の複雑な地形にも対応する。一般的なLPWAが数km程度にとどまるのに対し、大幅な性能向上を達成したという。通信インフラを自社で構築するため、月額通信費は不要。さらに、静止画転送に対応し、監視カメラの遠隔運用にも活用できる。
システム構成
省電力面では、3~24Vの幅広い電圧に対応し、電力計測によってバッテリー残量を正確に把握。一次電池やソーラーバッテリーを間欠制御で効率利用し、長期間稼働を可能にする。
同社は、通信費や運用コストを抑えることで、これまで高度なIoTシステムの導入が難しかった中小企業や個人事業主への普及を目指す。農業や物流、公共インフラ監視、防災・減災といった分野での活用を想定しており、特に第一次産業の生産性向上や地域社会の安全・安心に貢献していくとしている。