F5ネットワークスジャパンは2025年8月19日、同社の「F5 Application Delivery and Security Platform(ADSP)」にポスト量子暗号(耐量子暗号、PQC)対応ソリューションを追加したことを発表した。
ADSPは、アプリケーションの配信とセキュリティを統合的に提供するプラットフォームであり、ロードバランシング、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)、API保護、ゼロトラストアクセス、脅威インテリジェンスなどを組み合わせ、オンプレミスからクラウド、マルチクラウド環境まで横断的にアプリケーションの可用性と安全性を確保するのが特徴(参考記事)。
新たに提供されるPQC機能は、このADSP上で稼働する。すでに提供は開始されており、具体的な機能は以下のとおり。
・NIST規格準拠の暗号化アルゴリズム…データや知的財産を保護しながら、システム性能を維持。
・エンドツーエンドのセキュリティ…クライアントからバックエンドまでを対象に、アプリケーション配信、アクセス制御、ファイアウォール機能、脅威インテリジェンスを統合。
・マルチクラウド/ハイブリッドクラウド対応…異なる環境をまたいでも移行の互換性を確保し、アプリケーションとAPIの可用性を維持。
・暗号化通信の可視化と脅威検知…中央集約型ツールにより暗号化トラフィックを分析し、AIや自動化を活用して移行期の脅威検出を強化。
・コンプライアンス対応の支援…各国・地域の規制基準に対応しつつ、PQC移行中も監査や準拠の負担を軽減。
従来の暗号化方式とPQCを組み合わせたハイブリッド運用にも対応しており、システムを停止することなく段階的な導入が可能となるという。