AIデータセンターネットワークの800GbE化が加速している。米国だけの話ではない。日本でも800GbEスイッチの導入は始まっている。例えばサイバーエージェントがその1社だ。ジュニパーネットワークスの800GbE対応スイッチ「QFX5240」を採用。Pod(複数のGPUサーバーで構成される演算単位)あたりのポート収容数を4倍へと向上しながら、ネットワークの電力効率も50%改善した。
ジュニパーが、800GbE対応スイッチの出荷を開始したのは、2024年3月のことだ。競合ベンダーに先駆ける“一番乗り”での市場投入だった。「ブロードコムとの連携をはじめ、AIデータセンター分野への投資を非常に積極的に行っており、その結果、800GbE対応でも他社に先行してリリースすることができた」。同社 技術統括本部 ソリューション技術推進部 部長の塚本広海氏はこう話す。
ジュニパーネットワークス 技術統括本部 ソリューション技術推進部 部長 塚本広海氏
ジュニパーは、Data Center Switchingの分野で、Gartner®のレポートでも評価されている。
ガートナーは、競合する製品/サービスを、ガートナーが特定した重要な差別化要素に照らし合わせて評価する比較分析としてクリティカル・ケイパビリティレポートを発表している。そのデータセンタースイッチ版である「2025 Gartner Critical Capabilities for Data Center Switching」では、3つのユースケースで比較評価を実施しているが、その1つ「Enterprise Data Center Network Build-Out」で最高スコアとの評価を得たのがジュニパーだった。また、「AI Ethernet Fabric Build-Out」でも、1位に次ぐ僅差での2位だった。*1
ユーザー企業の評価も高い。調査会社の650 Groupが2025年3月に発表した「800GbE OEM Market Share, 2024」では、ジュニパーがシェア44%で800GbE市場のトップシェアベンダーとなっている。*2
AIデータセンターにジュニパーを採用する企業・団体の一例。このほかにも、クラウド、SNS、製造、金融などで多数の導入実績がある
このようにジュニパーはデータセンタースイッチ市場において、高い評価と実績を誇るが、こうした現状も同社にとっては“通過点”にすぎない。AIデータセンターをめぐる動きは早く、それを支えるネットワークもどんどん進化していかなければならないからだ。
ジュニパーは、AIデータセンターネットワークをさらにどう進化させていくのか――。これからのAIデータセンターネットワークの姿を見ていこう。