アンリツとスウェーデンのBluetestは2025年7月7日、5G RedCapに対応したOTA(Over-The-Air)測定ソリューションを共同で構築したことを表した。
RedCapは3GPP Release 17で定義された、低コスト・低消費電力・小型化を特長とする5G規格であり、産業用センサや監視カメラ、ウェアラブルデバイスなどのIoT用途に最適化されている。
同ソリューションは、Bluetestの小型OTAチャンバー「RTS65/85/95」シリーズと測定制御ソフトウェア「BLETEST FLOW」、およびアンリツの基地局シミュレータ「MT8000A」により構成される。これにより、RedCap対応デバイスの総合放射電力(TRP)や総合等方向受信感度(TIS)、スループットといった通信性能を、アンテナを含む実機全体で包括的に評価することが可能となる。
OTA測定は、実際の空間を介して電波の送受信を行うことで、実環境に近い状態での通信性能を測定する手法。しかし、試験条件によって通信が不安定になることもある。アンリツのMT8000Aは広い受信範囲を持ち、こうした通信の不安定さを抑制し、短時間かつ効率的な測定を実現するという。
BluetestはOTA試験用リバブレーションチャンバーの分野で世界的に高い評価を得ており、モバイル端末メーカーや通信事業者などのグローバル企業にも広く採用されている。