ノルディックセミコンダクターのブースで展示されているのは、まだ日本ではそれほど知られていない近距離無線プロトコル「ANT」だ。
ANTは、ヘルスケア機器メーカーを親会社にもつカナダDynastream Innovation社が開発した技術。心拍計や血圧計などのヘルスケア機器などで多く採用されているほか、最近は一般的なセンサーネットワークへの適用も始まっているという。
ANT対応機器群。海外を中心に心拍計や血圧計、スマートフォンなどでの採用が進んでいる |
同様の近距離無線プロトコルとしては、ZigBeeやBluetoothが有名だが、説明員によればANTの特徴はなんといっても低消費電力にある。「ZigBeeで電池が1日しか保たないとすれば、ANTは1カ月保つ」という。
ただし、「1メッセージは8バイトまで」と大容量データには向いていない。つまり、温度情報やスイッチ情報といった単純なデータが送れればいいセンサーネットワークなどにANTは適しているということ。最大6万4000ノードをサポートし、スター型やツリー型、メッシュ型のトポロジーに対応している。