「700MHz帯は申請しない」。2012年3月1日に開かれた900MHz帯取得の会見で、ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、この夏に割当予定のもう1つのプラチナバンド、700MHz帯については申請を行わないことを明言した。
「どうせ申請しても落とされるだろう。頂いた900MHz帯を精一杯活用することに集中したい」
700MHz帯の割当枠は3者なのに対して、国内の携帯電話事業者はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスの4者。2月29日に公表された700MHz帯の開設指針案では「900MHz帯を割り当てられた者を劣後させる」とされているが、さらにソフトバンクが700MHz帯の割当の申請自体も行わない方針を表明したことで、ドコモ、KDDI、イー・アクセスへの割当がより確実になった。
「“聖域”のないオークションなら理解できる」
また、今回のプラチナバンド以降の周波数割当で導入が検討されている電波オークションに関して、孫社長はまず以下のような認識を披露。
「都心でのトラフィックは1年で3.3~3.5倍に増えている。つまり2年で10倍、4年で100倍になる計算だが、4年で100倍の電波がもらえるかというと、それは今の総務省には難しい。電波を本当に有効活用しているのか、電波行政においては“聖域”なしに大掃除をする必要がある。それは、テレビ局も含めてだ」
そのうえで、「『テレビ局は電波オークションをしなくていい』というのではなく、聖域のないオークションをやるのであれば、それはそれで理解できる」と述べた。