インターネットイニシアティブ(IIJ)は2025年2月12日、IoT機器向けのeSIM規格「SGP.32」のユースケースに関する実証実験を実施し、同規格がIoT機器への導入に有効であることを確認したと発表した。
SGP.32とは、スマートフォンなどに提供されているコンシューマeSIMをIoT機器で利用できるようにするために、GSMAが2023年5月に公開したIoT機器向けのeSIM規格だ。
個人向けのデバイスで使われるコンシューマeSIMは、利用者がデバイスの操作画面からeSIMを設定する仕様になっている。今回の実証で使用したSGP.32は、デバイスを直接操作せずにリモートでeSIMの操作が行える仕組みを導入しているため、操作画面のないIoT機器でもコンシューマeSIMが利用可能となる。
SGP.32の特徴
同実証では、設置環境に応じて適切なeSIMをリモートでダウンロード可能なこと、スマートフォンとのペアリングなしにeSIMが有効化されてIoT機器単体で動作することを確認し、eSIMダウンロードのための初回プロファイル(ブートストラップ)必須機能を検証したという。
これにより、例えばIoTサービス提供事業者が国外でIoT機器を製造する場合、出荷試験では製造国のeSIMを使い通信テストを行ったのち、完成品出荷先の国や地域では、機器に触れることなく任意のタイミングでその国や地域のeSIMに入れ替え通信サービスの利用が可能になる。そのため、IoTサービス提供事業者の利便性が大きく向上するとしている。