ケーブルテレビ(CATV)事業者向けに最新のソリューションを紹介する「ケーブル技術ショー2024」が2024年7月18日・19日に東京国際フォーラムで開催された。
地域に根ざし、また自治体との関係の深いケーブルテレビ事業者は、地域のDXやIoT化を推進する重要なプレーヤーだ。放送サービスに留まらず、通信技術を活用して地域課題を解決するための取り組みが多数展示されていた。
CATV事業者“自前”のIoTダッシュボード
日本ケーブルテレビ連盟のブースでは、同連盟のIoTビジネス推進タスクチームの取り組みとしてIoTダッシュボードを紹介。このダッシュボードは、富山県射水市の射水ケーブルネットワークと三重県・滋賀県をエリアとするZTVが自社開発したもので、水位・雨量センサー、獣害罠センサーなど、地域の課題に応じた各種センサーのデータをWeb上で可視化できる。対応するセンサーの通信方式はELTRES、Sigfox、Wi-Fiと、特定の方式に限定せず、課題解決に適したものが選ばれている。
IoTダッシュボード対応センサーの例
このダッシュボードは他のCATV事業者に横展開しており、CATV事業者は地元自治体等にサービスを提供することができる。各CATV事業者はダッシュボードを月額1万1000円からという、“相場の3分の1程度”の費用で利用可能だ。
その一例、長崎市の長崎ケーブルメディアでは、世界文化遺産・軍艦島への観光船の航行に役立てるために活用している。準天頂衛星「みちびき」を利用する「みちびき海象ブイ」を軍艦島沖に設置し、波高データをリアルタイムに取得。これをIoTダッシュボードで可視化し、長崎市役所や船の運航会社に提供する。従来と比較し、より早く海域の状態を把握することができるようになったという。
IoTダッシュボードは機能拡張を続けており、今後は監視カメラ画像を組み合わせた表示も可能になるということだ。