NTTドコモは2024年3月6日、オリックス・クレジットを連結子会社化すると発表した。792億円を出資し、オリックス・クレジットの株式を取得する。オリックス・クレジットは現在オリックスの100%子会社で、ドコモ出資後の株式比率はドコモ66%、オリックス34%となる。株式の譲渡は3月29日に実行される予定だ。
「dスマホローンをもっと多くのお客様にご利用いただきたい。そんな思いが今回の提携につながった」。NTTドコモ 執行役員 スマートライフカンパニー 統括長の江藤俊弘氏は、子会社化の狙いをこう述べた。
(左から)NTTドコモ 執行役員 スマートライフカンパニー 統括長 江藤俊弘氏、オリックス・クレジット 取締役社長 岡田靖氏、オリックス 執行役 渡辺展希氏
NTTドコモは個人向けの無担保ローンサービス「dスマホローン」を2022年7月から提供しており、今年2月末時点の累計貸付実行額は「370億円を突破している」(江藤氏)。
一方、1987年から無担保ローン事業を行うオリックス・クレジットの貸付残高は2023年12月時点で約1000億円と、業界の中で「6番目くらいの規模」(オリックス・クレジット 取締役社長の岡田靖氏)を持つ。
江藤氏は、「ローン事業を自前で立ち上げて2年弱になるが、今後の拡大に向けて課題を抱えている。事業運営には、かなりきちっとしたオペレーションが必要であるということ。審査及びお客様からの回収などに、幅広いノウハウが必要ということが分かってきた」ことから、長年ローン事業を展開し、独自の与信ノウハウやコールセンター、回収のノウハウなどを持つオリックス・クレジットとの資本業務提携を決めたと説明した。
オリックス・クレジットとの資本業務提携を通じた具体的な取り組み内容
ドコモの顧客基盤とオリックス・クレジットのノウハウを組み合わせることで、「“経済圏”の中で無担保ローン1位は楽天銀行だと思っているが、ここにいち早く追い付き、追い越すということを数年の間に実現したい」と江藤氏は意気込んだ。