富士通研究所は2011年5月18日、LTE向けのセル間干渉制御技術を開発したと発表した。同技術を利用すると、干渉制御をまったく行わない場合と比べ、セルの境界エリアでの通信速度が約2倍に向上するという。
基地局のセル境界では、隣接する基地局との電波干渉が発生する。このため、セルが重なっている部分のみに隣接するセルで異なる周波数を用いる干渉制御方式が提案されているが、従来はセルの形状が均等であると仮定しており、実際には干渉が生じる場合があった。
一方、富士通研究所が開発した干渉制御技術では、セルの形状や利用者分布の偏りの影響も考慮しており、干渉をより低減できるという。
同社は今後、LTE基地局に組み込んで運用するための検討を進め、2年から3年後の実用化を目指すとしている。