Coltテクノロジーサービスは2023年8月29日、日本市場への投資と戦略に関する記者説明会を開催した。
1999年に前身となるKVHが設立されて以降、国内で24年間にわたり法人向けネットワークサービスなどを展開しており、累計1000億円の設備投資を行ってきた。Coltテクノロジーサービス ジャパン・カントリー・マネージャーのジェラルド・バーン氏は、その成果として「日本証券取引所に上場している企業の80%以上が、直接・間接的にColtのネットワークに接続している。また、100以上のデータセンターに接続している」などと説明した。
Coltテクノロジーサービス ジャパン・カントリー・マネージャー ジェラルド・バーン氏
Coltは現在も継続的に投資を行っている。光ファイバーによるメトロエリア・ネットワークを2024年中に広島、岡山、福岡(北九州)に拡張するほか、顧客満足度向上のためにネットワーク品質の向上を図るなど、今後3年間で累計150億円の投資を予定する。
メトロネットワークの拡張などに継続投資する
Coltが日本市場に重点的に投資を行うのは、ネットワークに対する高い需要からだ。
英国本社CMO(最高マーケティング責任者)の水谷安孝氏は「ガートナーの予測では、今後5年間のネットワーク需要の伸び率はグローバルの1.7%に対し、日本は5.8%と3倍以上高い。数ある国の中でも日本に特化し、何ができるかを考えている」と語った。
Colt Technology Services CMO 水谷安孝氏
Coltが提供するサービスは、国内の通信キャリアと競合するものが少なくない。そうした中で差別化となっているサービスの1つが、「Colt On Demand」だ。
これはオンデマンドで帯域幅を拡大/縮小し、ネットワークコストを最適化できるセルフオーダー式ネットワークサービス。例えば、インターネット関連サービス事業を展開するエアネットは、Colt On Demandでクラウド接続事業およびDRサイト向け回線の帯域を柔軟にコントロールすることで、平均60%のコスト削減を実現している。
エアネットは平均60%のコスト削減を実現
最近は生成AIの普及とともに、自社のデータをプライベートクラウドで解析するニーズが高まっているが、「クラウドにデータをアップロードする際、一時的に帯域幅を増やし、クラウドへの移行が終わると縮小するというように、Colt On Demandクラウドとの相性が非常に良い」(水谷氏)という。