「中小企業は信頼できるITパートナーを求めている」
市場環境が厳しくなるなか、企業におけるIT導入の必要性はますます高まっている。それは大企業だけでなく、中小企業にもあてはまる。ガートナーの調査によると、この傾向を反映して、従業員100人未満の企業におけるIT投資額は2009年度以降、回復基調にあるという。
他方、KDDIが中小企業約300社を対象に実施したヒアリングでは、「60%以上が経営者自らPCやインターネットの購入先を決定している」「54%が自社のホームページはあっても更新できていない」といった実態が明らかになった。中小企業ではITへの投資意欲は高いものの、人材不足から十分に活かしきれていないことがわかる。
「中小企業は専門性を持った信頼できるITパートナーを求めている」――。そう考えたKDDIが自らITパートナーとなって中小企業をサポートしようというのが、「KDDI まとめてオフィス」だ。4月1日に東名阪の一部地区でトライアルを開始、営業体制が整ったことから、7月1日に全国展開を開始した。
図表1 「KDDI まとめてオフィス」基本機能 |
KDDI まとめてオフィスは、会員企業向けに固定電話や携帯電話などの通信サービス、各種ソリューションサービス、オフィスの通信・OA機器などに関する提案・導入・設定・メンテナンスまでをトータルでサポートする。また、通信料金や通信・OA機器費用などの請求書を1つにまとめる「一括請求」、au携帯電話・固定・IT環境の問い合わせから故障受付まですべて対応する「KDDI まとめてオフィス会員デスク」、通信費や機器購入のたびに付与されるポイントを使ってau携帯電話やIT機器、オフィスサプライを購入できる「ポイントサービス」などを特長とする。
au携帯電話や「KDDI 光ダイレクト」といったKDDIが提供するサービスに2つ以上加入していれば入会でき、入会金や年会費は無料という加入の“ハードルの低さ”も手伝い、会員企業数は全国サービス開始時の約3000社から、9月末時点で約3万5000社と関係者の予想を上回るスピードで伸びている。
図表2 「KDDI まとめてオフィス」サービスイメージ |
同様のサービスとしてNTT東日本では、「オフィスまるごとサポート」を6月30日から開始している。ビジネスホンからPC、周辺機器までオフィスのICT環境を一括してサポートする点は同じだが、機器購入者が対象であるところがKDDI まとめてオフィスとは異なる。