KDDIは2023年6月8日、インターネットを接続するバックボーンネットワークにおいて、ハードウェア・ソフトウェアともに複数ベンダーの組み合わせが可能な「オープンルーター」の商用運用を同月5日より開始したと発表した。
従来のルーターの構成はベンダーに依存しており、ハードウェアとソフトウェアを柔軟に選択することができなかった。これに対し、オープンルーターではホワイトボックス化によりオープン化しているため、KDDIが必要とする機能に合わせた最小限の構成として、Broadcom社製大容量汎用ハードウエアチップ1枚での構成が可能だ。これにより、従来のルーターと比べて約50%の低消費電力化と約40%の小型化を実現している。
従来型ベンダールーターとホワイトボックス化したルーターの構成比較
また、バックボーンネットワークにはコアやエッジ、ピアリングなど様々な領域が存在し、これまでは領域ごとに異なる機種のルーターを利用することが一般的だった。オープンルーターでは、ホワイトボックス化によりインタフェース仕様をオープン化しているため、それぞれの領域において同じハードウェアを使用することができるため、各領域の予備品の共通化が可能となり、機器コストの削減にも寄与するという。
ハードウェア共通化による従来ルーターとオープンルーターの比較
なお、オープンルーターはTelecom Infra Projectで認定されており、通信事業者での商用運用は国内初、世界では2例目となる。今後KDDIは、オープンルーターの導入を拡大し、バックボーンネットワークのオープン化を目指すとしている。