イー・モバイルは2010年10月28日、日本初となるDC-HSDPAによる下り最大42Mbpsのデータ通信サービスの提供を2010年11月19日から開始すると発表した。
当初のサービス提供地域は、関東、東海、関西、北海道、九州の31都市。2011年3月末までに人口カバー率を40~50%に拡大する計画。対応端末は、当面は19日発売の中国ファーウェイ製USBドングル型データ通信端末「D41HW」1機種となる。D41HWはクアルコムのデータ通信端末用チップセットMDM8220を使って商品化されたものだ。
42Mbps対応USBドングル型データ通信端末「D41HW」 |
サービスブランドは「EMOBILE G4」だ。料金プランは、現在提供中のHSPA+による下り最大21Mbpsデータ通信サービス向けの3つの料金プランを名称変更し、そのまま適用する。例えば、利用できるアプリケーションに一部制限があるが、上限5GBまで定額で使える「G4 データプランB」(にねんS)は月額4480円となる(上限は2011年6月から実施)。21Mbpsデータ通信サービスにも、この3プランが適用される。
料金は21Mbpsサービスから据え置き |
DC-HSDPAは、下り最大21Mbpsのデータ通信に用いられているHSPA+の搬送波を2波束ねて使うことで、データ通信速度を倍の下り42Mbpsに向上させる技術である。
記者発表会でエリック・ガン社長は「2008年のGSMA Mobile World Congressで、イー・モバイルがエリクソンのCEOに『既存のHSPAネットワークを活用して早いタイミングで40Mbps超のサービスが実現したい』と要望したことが、DC-HSDPAが3GPPで標準化される契機になった」と明かした。またガン社長は、おそらく同社のサービスが世界初の商用サービスになるのではないかとも述べた。
さらに発表会では、東京・日本橋などで行った実測データを公表。商用環境でも現行21Mbpsデータ通信の倍程度の速度が出せることを示した。
フィールドでもHSPA+の2倍程度の速度を記録 |
また、この冬、同社が導入を計画しているAndroid搭載スマートフォン「HTC Aria」(台湾HTC製)もお披露目された。HTC Ariaは欧州、北米、アジア、オートラリアなど20カ国以上で発売されている小型・軽量機で、日本独自の1.7GHz帯の仕様を追加して投入する。海外版と同様、最大通信速度は下り7.2Mbpsとなる。詳細は後日改めて発表するという。
今冬投入予定のAndroid搭載スマートフォン「HTC Aria」(台湾HTC製) |
HTC Nippon社長のデビッド・コウ氏(左)とイー・モバイル社長のエリック・ガン氏 |