Braveridgeは2023年3月16日、マンホールやロッカーなどの金属面に貼り付けて使用できる小型かつ超薄型の2.4GHzアンテナを製品化、サンプル出荷を開始したと発表した。
アンテナには、国立大学法人九州大学が開発した特許取得技術「片面放射アンテナ」など、3つの特許技術を使用し、その発明者である国立大学法人九州大学 システム情報科学研究院 金谷晴一教授とBraveridgeとの共同研究「2.4GHz単方向アンテナの特性を活かしたIoTデバイスにおけるアンテナ指向性の課題、金属板への設置課題の解決」における研究成果を活用して製品化した。
電波は、その特性上金属に弱く、金属に近接した状態では電波が減衰し無線通信が困難になる。これまで、マンホールの金属蓋やロッカーなどの金属筐体などでは、無線によるIoT化が望まれつつも、既存アンテナでは実用的な無線特性が得られなかった。また、金属ケース内部や地底内部からの電波放射では電波が遮蔽され、外部にアンテナを出せばアンテナは突起し実用性が低下する。これらが長年の課題となっていた。
今回、製品化した2.4GHzアンテナは1mm厚の薄型で、金属面に貼り付けて設置しても、アンテナ利得:-1dBiと圧倒的な無線特性(通常のダイポールアンテナ:+2.1dBi程度)を実現する。これにより、Bluetooth LE(Bluetooth4.2)で150m以上の、Bluetooth LE(Bluetooth 5.x-LongRange)では700m以上の無線通信が可能だ。
マンホール蓋への設置例(断面図)
金属面でも無線特性を犠牲にすることなく、マンホールの内部や、ロッカーの金属筐体内部、金属制御ボックス内部などから一般空間への無線通信が実現可能となったことで、今後、IoT分野における様々な用途への活用が期待できるという。
Braveridgeでは今後、このアンテナと一緒に使用できる防水防塵仕様の無線通信ユニット(Bluetooth LE)と、この無線通信ユニットに接続するセンサー群の製品化も予定している。