5Gでアクセス・エッジが変わる光伝送ソリューションの最新トレンドとしてもう1つ見逃せないのが、適用領域の拡大だ。特に今後導入が進みそうなのが、5G基地局等のアクセスネットワークである。
映像伝送やV Rといった大容量かつ低遅延が要求されるアプリケーションの普及に加えて、企業や家庭向けのFTTxと5G RAN(無線アクセス)の統合によるマルチアクセス化、MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)基盤との接続など、アクセス領域では次々と新ニーズが出てきている。中でも5G RANは、LTEよりも基地局数が大幅に増えるため、これを効率的に収容し、かつ5Gの厳しい遅延要求も満たす新たなソリューションが期待されている。
これに対応すべく、光伝送ベンダーは新ソリューションを用意している。リボン・コミュニケーションズは、同社のアクセス・エッジルーター「Neptuneシリーズ」を用いた「マルチアクセスエッジプラットフォーム」を提案する(
図表4)。広帯域の光トランシーバーと組み合わせて、5G RANとコア、MECをつなぐエッジに適用。同じ装置で、FTTxで用いられるPON接続も提供するほか、「数ギガから数百MbpsのTDM(時分割多重)インターフェースも備える。TDMを使うSONET/SDHを他のアクセスと統合し、効率的に延命させられる」と宮下氏。
図表4 マルチアクセス・エッジプラットフォームのイメージ

Segment Routingなどキャリアネットワークで使われる多様なプロトコルにも対応しており、5G RANで不可欠な精緻な時刻同期、低遅延伝送もサポート。多種多様なサービスを集約・統合できる点で、日本でも関心が高いという。
シエナも同様に「5166 マルチサービス L2/L3スイッチ」を用いてマルチアクセスへのニーズに対応する。光伝送とルーター/スイッチ製品の両方を手掛けるベンダーのこうした動きが加速することで、固定・無線のマルチアクセス化と並行して、IP層と光伝送の統合も進展していきそうだ。