企業ネットワーク最前線

ローカル5Gを成功に導くコツ 免許取得を支援するスリーダブリューが解説

文◎村上麻里子(編集部) 2020.10.05

  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

ローカル5Gの活用を検討中の企業は多い。しかし、Wi-Fiのように簡単に始められるものではない。免許取得から運用開始までのポイントを、数多くのローカル5G導入に携わってきたスリーダブリューに聞いた。

 
5Gネットワークを自営網として必要な期間・場所に構築できるローカル5Gは、業種や規模を問わず多くの企業の関心を集めている。

しかし、通信についてまったくの“門外漢”である企業が、免許を取得し運用を開始するまでには、いくつもの越えるべきハードルがある。

スリーダブリュー(本社・横浜市)は、そうした企業向けに、無線局の免許申請から開局までの各フェーズで必要なサポートをワンストップで提供している、国内でも珍しい無線局開局のための専門企業だ(図表)。2019年にこのビジネスモデルに特化して以来、通信キャリアの5Gおよびローカル5Gを合わせると300局以上の免許申請や登録点検(総務大臣により登録された民間事業者が行った無線設備の点検結果を活用することで、無線局の検査の一部を省略できる制度)などをサポートしてきた。ローカル5Gについては、申請された免許の多くに何らかの形で携わっているという。

これまでの経験を基に、企業がローカル5Gを導入する際のポイントを紹介する。

 

 

図表 ローカル5G免許取得までのフルサポート

図表 ローカル5G免許取得までのフルサポート

 

機器選びはより多くの選択肢からローカル5Gを始めるにあたって重要になるのが、なぜ導入するのかという目的の具体化だ。

「そもそもローカル5Gとは何かを理解しておらず、『なぜローカル5Gでなければいけないのか』といった質問に明確に答えられる企業はほぼ皆無」とスリーダブリュー代表取締役の植田敦氏は指摘する。

 

 

スリーダブリュー 代表取締役 植田敦氏
スリーダブリュー 代表取締役 植田敦氏



企業はまず、ローカル5Gを使って何をしたいのかを明確にしたうえで、ローカル5Gでなければ実現できないのかどうかを判断する必要がある。目的によってはWi-FiやLTE(sXGPを含む)で十分、ということもありうるため、そのあたりを見きわめなければならない。

ローカル5Gが必要となると、次の“関門”が無線機器選びだ。

エリクソンやノキア、ファーウェイ、ZTEなど大手グローバルベンダーの無線機器は、通信キャリアへの提供を可能とするような高機能かつ多スペック。それだけ価格も高く、コア装置を含むオンプレミスで導入すると1億円以上かかることも少なくない。また、電波の出力が法律上制限され、しかも通信するデバイスの数がそれほど多くないユースケースも想定されるローカル5Gには、オーバースペックになることもある。

コストがかかりすぎるようであれば、大企業といえども導入そのものが難しくなる。

そのような場合でも、導入したい企業に合わせた無線機の選択について、スリーダブリューは知見を持っているという。

一般的に、SIerなどは特定のベンダーと協業していることが多く、選択肢が限られがちだ。これに対し、スリーダブリューは「ベンダー各社やサブコンから無線機器の点検・試験を依頼されることが多く、各社の無線機ラインナップ・性能を第三者の俯瞰的立場で横断的に把握しており、複数の選択肢の中から規模やニーズに合ったベンダー、機種と導入方法を提案できる」(植田氏)という。

採用する機器を決めるには、その製品を提供しているベンダーと無線ネットワークについて詳しい協議に入る必要がある。

当然のことながら、会議の場では通信に関連した話が中心となる。「担当者に専門知識がなければ、ベンダーの話に対し、疑問や潜在的リスクがあっても気付かなかったり、値段だけで判断してしまいかねない」と植田氏は忠告する。

また、実際に電波を吹くための準備として、無線機器を配置するための無線置局設計やエリアシミュレーションも必要となる。

現時点で商用免許の申請が可能な28GHz帯は、5Gの基地局とLTEのコアネットワークを組み合わせたNSA(ノンスタンドアローン)構成なので、アンカーバンドも取得しなければならない。

「Wi-Fiのように、プラグ・アンド・プレイですぐに始められると思っている企業が少なくない」(植田氏)が、特に28GHz帯は基地局(無線機)の配置が非常にシビアであることは、キャリアでの5G関連の測定やローカル5Gでの実測定で明らかになっている。「無線置局設計やエリアシミュレーションは、無線を熟知し、知見のある第三者に任せるべき」と植田氏はアドバイスする。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

スペシャルトピックスPR

AppgateSDP
Zscaler2112
EDR2112

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】ネットワーク
   未来予想図2022

<Part1>5Gは脱・黎明期? <Part2>5G-Advancedが来る
<Part3>L5G広域利用が前倒しへ <Part4>22年に始まる周波数再編
<Part5>周波数共用が3月に実用化 <Part6>5Gに超セキュア暗号通信

<Part7>IoT PLCで快進撃なるか <Part8>IoTイーサは2022年始動

インタビューアラクサラネットワークス 代表取締役社長兼CEO 保坂岳深氏 【ソリューション特集】「脱VPN」をイチから徹底解説 【ビジネス最前線】HAPSの未来はどうなる ほか

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

O-RANフロントホールのO-RAN移行を
テスト環境構築の面からサポート

従来とは大きく異なるO-RANテスト環境構築のポイントとは?

Juniper Virtual Summit for Japan 2021ネットワークの変革なしにDXは語れない 著名人が語るDXのポイント

東大・デジタル庁、ANA、デンソーらがエンタープライズDXを語る

アイティフォー中小企業こそEDRでの対策が重要
遅れを取らないサイバー攻撃対策法

中小企業が導入しやすいEDRソリューションとは?

ゼットスケーラーゼロトラストの前に必要な「オンプレミス脱却」をゼットスケーラーで!

現実的かつビジネス的なメリットのある移行への道筋を提供する。

Appgate SDPオンプレとクラウドを柔軟に防御
Appgate SDPでゼロトラスト加速

VPNの課題克服し、「ZTNA(ゼロトラストネットワークアクセス)」実現

A10ネットワークス攻撃者の「武器」を理解せよ
A10が語るDDoS対策

第一人者が解説する「今知っておきたいマルウェアとDDoS脅威のトレンド」

アンリツ5G/ローカル5Gの電波干渉回避へ、
高まる時刻同期の重要性

アンリツの計測器「MT1000A」なら大丈夫な4つの理由

Japan Summitジュニパーが「Japan Summit」を
今年もオンライン開催!

テーマは「エンタープライズDX」を支えるネットワーキング

TP-LinkTP-LinkのメッシュWi-Fiルーター「Deco」 ISPも注目する強みとは

TP-LinkのメッシュWi-Fiルーターを採用するISP、オプテージが語る。

原田産業TSN時刻同期にGM200を選ぶ理由

高精度な時刻同期が必要な産業で、大きな支持を集める“高コスパ”なPTPグランドマスタークロックがある!

東陽テクニカ今こそ考える「GNSSに頼らない時刻同期」

5G、金融、産業ロボット…、求められるのがGNSSに頼らない時刻同期だ。

古野電気5Gモバイル通信を支える
“ナノ秒”時刻同期の世界

船舶で培ったGNSS技術を応用!
古野電気の高性能・高信頼受信機

ハイテクインター建設DXに屋外無線LANは必須
高信頼&高コスパWi-Fiを作業現場に

建設現場ならではの難条件も、簡単かつ安価にWi-Fiが導入可能!

セイコーソリューションズPTPもNTPも、通信も放送業界も
時刻同期ニーズに全方位対応

時刻同期ネットワーク構築の際に押さえるべきポイントを解説する。

丸文時刻同期の不安は“よろず相談所”へ

投資対効果に優れた安定的な時刻同期の実現に必要な製品提供から試験・測定まで、丸文がトータル支援

DPU注目の新デバイス「DPU」でデータセンターセキュリティはどう変わる?

NVIDIAなどが提唱するDPU。活用範囲の広さこそが最大の注目点だ。

沖縄ケーブルネットワーク「なんくるないさ、みんなも始めよう」沖縄ケーブルネットワークの挑戦

サードパーティ製光トランシーバーを採用してNWコストを劇的に下げる

DAACATV事業者は“意思決定”を
もう先送りしない

CATVネットワークのトラフィック対策の切り札「DAA」の課題が解消!

A10ネットワークスA10ネットワークスの現在と未来

米本社CEOや日本法人社長らがイベント「A10 CONNECT」で、ビジョンや今後の注力分野などを語った。

Communications Cloud大変革時代の通信事業者クラウド

新たな通信事業者向けシステムを、Salesforceの「Communications Cloud」で実現しよう。

BBB Spectrum100Gbps DCIのコストを半分に!
「光ファイバー波長貸し」という革命

圧倒的な低コストを実現したDCIサービス「BBB Spectrum」

Nuclias Cloudハイブリッドワークで課題が顕在化
今こそ企業NW運用をアップデート

コロナで現地設定は困難。そこで注目したいクラウドからのリモート管理

NetMeister Primeハイブリッドワーク時代が到来!
クラウド管理型NWの準備はいいか

遠隔からNW機器を管理したいが、コストはかけられない。そんな課題を解決

Ruijie NetworksRuijie Networksを
ハイパースケーラーが選ぶ理由

アリババやテンセントなど、「やりたいことを安価に実現」で支持拡大!

丸文データセンターネットワークを「モダン化」するには?

幅広いソリューションを揃える丸文に聞いた。

エヌビディアNVIDIAはネットワークから変える
AI/IoT時代のDCインフラとは?

次世代データセンターに向け、エヌビディアがNWアーキテクチャを刷新

日本ソルテック監視カメラ、施設や学校にも好相性 実運用に堪える無料のクラウド管理

クラウド管理型ネットワーク「Nebulaクラウド」が好評だ!

コムスコープ・ジャパン5G基地局の設置効率化に「ケーブリング改革」が不可欠な理由

超小型軽量の配線システムで、工事時間を従来の半分以下へ削減!

サードパーティ製光トランシーバーのはじめ方サードパーティ製光トランシーバーのはじめ方 

ブロードバンドタワー水落氏がサードパーティオプティクスの要点解説

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc202012
ローカル5G情報局

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます
当ウェブサイトはCookieを使用しています。閲覧を続ける場合、プライバシーポリシーに同意したことになります。