導入・選定ガイド

働き方改革で重要性高まる「コラボ強化」にマイクスピーカーとビジネスチャット

文◎村上麻里子(編集部) 2019.02.20

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オフィス以外で働くことは今や珍しくない。だが、生産性向上が期待できる一方、社員間のコミュニケーション不足が課題となる。そこで有効なのが、マイクスピーカーやビジネスチャットなどITツールの活用だ。

LINE WORKSは9カ月で2.7倍に次に、ビジネスチャットについて見ていくことにする。

テキストベースのコミュニケーションツールであるメールは、社外はもとより社内におけるやり取りにおいても「○○様」「お疲れさまです」といったあらたまった文言を用いるため、本題に入るまでが長く、リアルタイム性に欠けるきらいがある。1日に膨大な量のメールを受信する場合には、見落としが発生する可能性も否定できない。これに対し、チャットは短文でいきなり本題に入っても違和感がなく、よりスピーディなやり取りを可能にする。

ところで、チャットというと真っ先に「LINE」をイメージする人が多いのではないだろうか。その使いやすさや高い利便性から、無断で業務に利用する“シャドーIT”が後を絶たず、企業として見過ごせない状況が発生した。そこで登場したのが「LINE WORKS」だ。
ワークスモバイルジャパンの「LINE WORKS」は、コンシューマー向け「LINE」の使い勝手はそのままに、業務利用に必要な機能も搭載する
ワークスモバイルジャパンの「LINE WORKS」は、
コンシューマー向け「LINE」の使い勝手は
そのままに、業務利用に必要な機能も搭載する

LINEの兄弟会社であるワークスモバイルが提供するビジネスチャットで、トーク(メッセージ)や無料通話、ビデオ通話などはコンシューマー向けの機能を踏襲する一方、ホーム(掲示板)、グループウェア、組織階層型アドレス帳、セキュリティなど業務に必要な機能にも対応する。

働き方改革が追い風となり、LINE WORKSの導入企業は2018年2月の1万社から同年11月には2万7000社と、この9カ月間で2.7倍に急増した。

例えばスポーツ用品メーカーのミズノは、営業担当者のコミュニケーション手段にLINE WORKSを導入している。

同社の営業はアスリートの試合に同行し国内外を飛び回る機会が多く、会社にいる時間がほとんどない。会社やアスリートとの連絡手段にLINE WORKSを使うことで、スマホでリアルタイムのコミュニケーションが可能になった。シューズのフィッティング画像をトークに貼り付け社内で共有したり、大阪本社と東京支社をつないだ遠隔会議にビデオ通話機能を使うなどフル活用している。社内では「LINE WORKSで働き方が自然に変わった」という声が聞かれるという。

LINE WORKSは、飲食などの現場におけるコミュニケーション活性化を目的にした導入も進んでいる。ワークスモバイルジャパン マーケティングチーム部長の長橋明子氏によると「人手不足が深刻なため、生産性の向上が喫緊の課題となっている」のが理由だという。

生産性を高めるには情報の共有や連絡を迅速に行えるコミュニケーション環境が不可欠だ。「Microsoft Office 365」や「Slack」といったコミュニケーションツールもあるが、使いこなすには一定のITリテラシーが必要とされハードルが高い。LINE WORKSはスマホなどのモバイル端末ですべての機能を利用可能で、ITリテラシーに関係なくすぐに使いこなせる点が、現場での導入につながっている。

LINE WORKSはこれまで「ライトプラン」(月額300円)、「ベーシックプラン」(同500円)、「プレミアムプラン」(同1000円)の有料プランのみだったが、2018年11月には無料の「フリープラン」が加わった。メール/ストレージ/タスク管理機能が提供されなかったり、管理機能が簡易版であるなどの制限はあるが、テスト期間中の申込件数が以前と比べて6倍という実績もあり、小規模企業や大企業におけるチーム単位での導入を見込んでいる。

社内のBCP対策としての活用も都築電気のビジネスチャット「TCloud for BizChat」は、月額180円と主要ビジネスチャット(有料版)の中でも特に安価な料金体系を特徴とする。

他のビジネスチャットが音声通話やビデオ通話、Web会議など多機能化の方向にあるのに対し、TCloud forBizChatはチャット機能に絞り込むことで、安い料金での提供を実現している。すでに他社のビジネスチャットを導入しているものの、チャット以外の機能はあまり利用しないためTCloud for BizChatに切り替えるケースも少なくない。

都築電気社内でも働き方改革の一環として、グループ会社を含む全社員約1800人がTCloud for BizChatを情報伝達手段として活用している。

同社では自宅やサテライトオフィスで働くことを容認しているが、従来はテレワークの開始や休憩、終了、業務内容の報告をメールで行っていた。しかし、管理職が忙しいあまり「読み忘れ」が発生していたという。それがビジネスチャットで報告するようにしたところ、「外出先からでも部下のテレワークの状況をリアルタイムに把握できるようになった」と都築電気 技術戦略本部 技術支援統括部 統括部長 兼 技術支援部長の朝生正己氏は話す。

TCloud for BizChatはチャットボットを活用した様々なソリューションも提供している。

その1つが「安否確認ボット」だ。災害発生時、安否が分からない社員に担当者がボットを使ってメッセージを一斉に送信。社員が自分の状況を返信することで管理者は安否を確認できる。ボットが安否状況を集約しレポートする機能もあり、管理者は全社員の安否状況を即座に把握することが可能だ(図表3)。昨今、大規模災害が頻発しているのを受けて、BCP対策を目的にTCloud for BizChatと安否確認ボットの導入を検討する企業も多いという。

 

図表3 都築電気「安否確認ボット」の利用イメージ
図表3 都築電気「安否確認ボット」の利用イメージ


マイクスピーカーやビジネスチャットは、ITツールとしては高度なスキルを必要とせず、導入ハードルも決して高くはない。しかし活用次第では、社内コミュニケーションの強化に大きな効果を発揮することが期待できそうだ。
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