[特集]ネットワーク未来予測 2019sXGPは秋に立ち上がる! EPC搭載アクセスポイントの価格は10万円台

LTEベースの新自営無線「sXGP」の導入本格化は2019年度後半になりそうだ。公衆PHSの停波に伴う帯域拡大や世界展開によって、普及が大きく加速する可能性も出てきた。

「2018年度中は、パートナーであるSIerなどによる評価が進められ、2019年春からはユーザー企業による試験導入が始まる。実際に企業で使われるようになるのは、2019年度の後半からだろう」

プライベートLTEソリューションに注力しているBaicells Japan(以下、バイセルズ)で取締役 ビジネス開発本部長を務める日比紀明氏は、sXGPの当面の展開をこう予想する。

sXGPは、事業所コードレス電話として使われている自営PHSの後継として、PHS/AXGPの推進団体「XGPフォーラム」が策定した、LTEベースの新しい自営無線規格だ。自営PHS用に割り当てられた1.9GHz帯は、中国や日本などで広く使われているLTEの国際バンド「Band39」に包含される。そこでBand39に対応したスマートフォンやデータ通信端末を、そのまま事業所コードレス端末として活用しようというコンセプトで開発されたのがsXGPである。iPhoneをはじめとした数多くのLTE端末がBand39をサポートしている。

今はまだ商用化への準備段階2017年10月の省令改正を受けて、sXGPはすでに法的に利用可能だ。しかし、それから1年余りを経た2018年12月現在、まだ商用展開には至っていない。企業に使ってもらうには、sXGPをシステム・サービスに仕立てる必要があるからだ。

sXGPの推進企業の1社であるBBバックボーンは、キーデバイスとなるsXGPアクセスポイントを、LTE基地局ベンダーのAccuverを通じて2018年秋に開発。パートナーである大手PBXベンダーがこれを自社のIP-PBXなどと組み合わせる形で商品化を進めている。NECと富士通は10月からフィールド試験を実施しており、2019年度から商用展開を開始する計画だ。

バイセルズは2018年初頭からsXGPアクセスポイントの提供を開始し、10月にはARIB(電波産業会)が策定した商用規格への対応も果たした。現在は、富士ソフトや日本通信、IIJなどのパートナー企業によって、「事業所コードレスだけでなく、免許なしで使える自営LTEとして、多様な製品・サービスが計画されている」(日比氏)という。提案から導入までのタイムスパンを考慮すると、これらの開発が完了し、実際に企業に導入されるようになるのは2019年秋になるという。

月刊テレコミュニケーション2019年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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