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日本HPが通信キャリア向けセミナー

通信事業者が収益拡大するための3つの方向性とは

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2015.06.08

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日本HPが通信事業者の収益拡大をテーマとしたプライベートセミナーを開催した。HPは、IoTやクラウドなどの分野で革新的な技術を提供し、この課題の解決に貢献していくという。

 

期待されるIoTビジネス


続いて行われた分野別セッションでは、(1)IoT、(2)リアルタイムデータ解析、(3)OSSのトランスフォーメーション(再編)、(4)デジタルコンテンツ、(5)テレコムクラウドの5分野におけるHPの取り組みが紹介された。これらは「収益創出」の具体策となるものだ。

この中でも高い成長が見込める分野として期待されるIoTのセッションには、HP本社で同分野の責任者を務めるクラウス・ハンセン氏が登壇した。

ヒューレット・パッカード、エンタープライズサービス、コミュニケーション&メディアソリューソンズ(CMS)、インターネット オブ シングス グローバル プラスクティス ディレクターのクラウス・ハンセン氏

ハンセン氏は、まずデータを踏まえてエネルギー、ホームセキュリティ/スマートホーム、運輸分野などを中心にIoT市場がすでにハイペースで伸びていることを示し、2018年に市場規模が748億ドルに達するという予測を紹介した。さらにIoTを活用することで、車両・建設機器などを販売するのではなくメンテナンスなどを含む「サービス」として提供していく「モノのサービス化」の動きも広がってくるという。

同氏は、IoTは減少傾向にある音声・データ通信の売上を補填するビジネスに成り得るとした上で、このビジネスに取り組むに際して、IoTデバイスとの接続に携帯電話回線を利用する20%のユースケースだけでなく、Wi-Fiなどその他の通信手段を用いる80%を考慮していくことが重要だと指摘した。

その上で、通信事業者や産業アプリケーション/サービス提供者がIoT事業に容易に参入できる基盤としてHPの「IoTプラットフォーム」を紹介した。これは標準化団体「oneM2M」の仕様を実装したサービス基盤で、デバイス・コネクティビティ、データ収集・分析、アプリケーションを1つのプラットフォーム上で提供している点が大きな特長となっている。HPは広範な業界別アプリケーションの開発にも取り組んでおり、HPのプラットフォームを活用することで、短期間でサービス提供が可能になるという。

クラウドがもたらす脅威と機会


IoTとともに来場者の関心を集めたセッションにテレコムクラウドがある。このセッションを担当したHPクラウドチーフテクノロジストの真壁徹氏は、その冒頭でクラウドの通信業界へのインパクトを脅威と機会の2つの側面から解説した。

 

日本ヒューレット・パッカード、エンタープライズグループ営業統括 クラウドビジネス統括本部 クラウドチーフテクノロジストの真壁徹氏

真壁氏が最大の脅威として取り上げたのが、ビッグ3と呼ばれる大手クラウドベンダー ―― アマゾン、マイクロソフト、グーグル ―― の通信事業者のビジネス領域への進出である。

これらのベンダーは「本業」との相乗効果を活かした安価な料金設定でクラウド事業での主導的な地位を固めつつある。近年は、グーグルが米国で光アクセス事業に進出するなど通信事業者のビジネスと競合するケースが増えてきている。ホスティング/アウトソーシング事業やなどの領域では通信事業者のデータセンター事業の強力なライバルだ。成長分野であるIoTサービスやこれを利用した機械学習などにも積極的に取り組んでおり、通信事業者の事業展開にとって大きな脅威となる可能性があるという。

他方、真壁氏は「チャンス」としてクラウドで生まれた技術を活用することで通信事業者がサービス競争力を高めることができるという。代表例がNFVだ。

仮想化技術を用いて、高額な専用機器に代えて汎用のサーバー、ストレージ、ネットワーク機器で通信ネットワークの機能を実現するNFVは、コストの削減、サービス開発の効率化を可能にする手段として通信事業者の関心を集めている。クラウドの構築で利用が広がっているOpenStackなどのオープンソースの標準技術が、NFVでも利用されることが想定されているのだ。真壁氏は「NFVでのOpenStackの利用には話題先行の部分があり、昨年までは通信事業者のニーズの3割程しか対応できなかったが、4月に出た最新版『Kilo』ではNFVに必要な機能の多くがサポートされた。今年後半からいよいよ導入が本格化する」と見る。

真壁氏はクラウド分野でHPが通信事業者のビジネスを支援できる領域として、まずこのオープンソースの技術を活用したNFVの構築があるという。HPはOpenStackの標準化に大きく貢献すると同時に、すでにOpenStackの商用ディストリビューションをHP Helionの名称で展開している。NFVでこれが活用できるというのだ。

3月に開かれたMobile World Congress2015で、スペインの大手通信事業者テレフォニカがHPをNFV構築のパートナーに選定したことを発表した。これは通信事業者向けソリューションとともにOpenStackにおける実績が評価されたといえるだろう。

さらに真壁氏はクラウドサービスに用いられるデータセンターの構築もHPが貢献できる分野だと見る。「特にクラウド技術を用いて企業のネットワーク設備をホスティングするプライベートクラウドはビッグ3が手掛け難い、通信事業者にとっても非常に有望な分野だ。多くの通信事業者とパートナーシップを組んでこの市場を広げていきたい」と真壁氏は意欲を見せた。
 

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