NTT東日本/西日本が提供するISDNが2024年1月、IP網に移行する。それに伴い、様々なサービスが終了するが、その1つにINSネット「ディジタル通信モード」がある。
INSネットは通信速度が最大64kbpsと低速ながら専用線に近い使い方で安全な通信が行え、通話もできることから、ATMやPOS端末、CAT端末など幅広い分野で今なお根強いニーズがある。
INSネットの終了に先立ち、2023年3月末には、ソフトバンクがPHSのテレメタリングプランの提供を終了する。
テレメタリングプランは、主にエレベーター内に設置されている緊急通報電話のネットワークに使われている。
ISDNやPHSからの置き換えは、コストや手間がかかるといった理由から、先送りにしてきた企業が少なくない。
例えば、ISDNの有力な移行先として光回線「フレッツ光」があるが、ベストエフォート型のため利用状況によって通信速度が変わることが課題だ。また、IP-VPNのような専用線を利用すると、今までよりもコストが大幅に高くなることが避けられない。そもそも64kbpsで十分なシステムにとっては過大投資となってしまう。もちろん、機器の入れ替えも必要で、電話回線も別途引かねばならなくなる。
こうした状況を受けて、NTT東西では2024年1月のINSネット終了までに更改が間に合わないユーザーに対し、2027年頃までを目途に、メタルIP電話上でデータ通信を提供する。
既存のメタルケーブルを利用し、端末も従来のISDN端末を引き続き使えるが、INSネットと同等の通信品質にはならず、通信速度はさらに低下することに留意する必要がある。
このように、どの方法にもそれぞれメリットとデメリットがあり、これからマイグレーションを検討する企業は何を選択すればいいか迷うかもしれない。そうした企業にお勧めしたいのが、MIの音声対応LTEルーター「AirREAL-VOICE2」だ。