<特集>ネットワーク未来予想図2022IoT PLCで快進撃なるか 2030年に世界累計10億台狙う

2006年に登場したHD-PLC。現在ではマルチホップ機能を備えるなど強化を続けてきた。2021年の省令改正、第4世代チップ登場によって新用途の開拓も期待されており、グローバルで10億台の出荷を狙う。

HD-PLCは、電力線、テレビ用の同軸線や機器制御用の平行線、ツイストペア線を始めとした様々な“線”で通信できる技術だ。例えば壁の電源コンセントにHD-PLC対応アダプターを挿し込めば、壁の裏側に張り巡らされた電力線全てをLANケーブルの代わりに使えるようになる。

2006年に登場した当初は、一般家庭向けにインターネットに接続するためなどの通信インフラとして提供されていたが、同時期にWi-Fiが発展したことで思うようにシェアを伸ばすことができなかった。しかしその後、様々な機能追加や性能改善を経てじわじわと導入を拡大、2021年12月時点での出荷数は累計400万台を超えた。

「2030年までにグローバルで累計10億台を狙いたい」とHD-PLCアライアンス 会長の三宅隆則氏は話す。その根拠はどこにあるのか。

HD-PLCアライアンス 会長 三宅隆則氏
HD-PLCアライアンス 会長 三宅隆則氏

魅力は低コストや短工期HD-PLCへの引き合いは、DXやIoT実現に向けた動きを背景に近年急速に増えている。既設電力線を活用することで配線工事のコストを大幅に削減できるほか、施工時の躯体損傷の軽減、工期の短縮、有線利用での信頼性や無線不感環境での通信補完性などが評価されているという。

工場などの広い敷地であっても、施工は概ね2日以内で終わるという。最初に敷設したいポイントを教えてもらい、配線系統を確認し、PLCアダプターを設置する地点を見積もる。その確認作業と施工を1、2日程度で行い、配電盤やコンセントがあればそこにアダプターを挿し込むだけ、分電盤であれば分岐ブレーカーにPLCアダプターからのケーブルをネジで共締めする。その個数が多いか少ないかで作業日数が前後するだけだ。

月刊テレコミュニケーション2022年1月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。