日本企業が「自信がない」とする領域は?
企業内で管理されるデータの総量は、2016年の1.29PB(ペタバイト)から、2021年には9.85PBと7倍以上に増大。さらにアプリケーションの展開場所、つまりデータの置き場所はオンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドと分散している。「分散・可搬化するアプリケーションが生成するデータを、いかに保護するかがポイントになる」
こうしたデータ量の増大と分散化への対処に加えて、前述したサイバー攻撃、そして在宅勤務によるデータ損失リスクへの対処も、今後重要になる。下図表の通り、7割前後のIT意思決定者が新たな脅威に対して懸念を抱えており、特に「破壊的なサイバー攻撃を受けた場合に、すべてのビジネスに不可欠なデータを復旧できる自信がない」との回答が、グローバルの67%に対して、日本は78%と目立って多い。サイバー攻撃への対処およびバックアップソリューションの見直しが急務となっている。
データ保護の向上が必要と考えている領域
同様に、「パブリッククラウド環境にあるワークロードで生成されるデータの保護」「バックアップと復旧のSLAを確実に達成」に関しても、「自信がない」と回答する日本企業はグローバル平均に比べて多かった。前者はグローバル64%に対して日本が85%、後者はグローバル58%に対して日本は82%と目立って高い数字となっている。
5G/エッジ、IoT/AIへの対応は?
GDPIではさらに、今後普及する新テクノロジーへの対応状況や、データ保護ソリューションをコンサンプション(消費)型で利用するas a Serviceモデルに対する期待に関しても調査している。
データ保護のリスクを高める恐れのある新技術として、GDPIはクラウドネイティブアプリケーションやAI/機械学習、SaaS、5G/エッジクラウド、IoT、コンテナ技術などを挙げている。下図表に示す通り、現時点では「SaaSアプリに対する投資が多い」(芳澤氏)ものの、「最適なデータ保護ソリューションが見つけられていない」との回答も半数以上にのぼる。他のテクノロジーに関する投資も十分に進んでいるとは言えず「まだまだ適切な対処法が見つかっていない」のが現状だ。
新テクノロジーへの対応状況
そして、データ保護ソリューションの更改や新規導入に関しては、「as a Serviceモデル」への期待の高さも浮かび上がった。約3分の2(日本、グローバルでは83%)のIT意思決定者が、as a Serviceモデルを含むソリューションを検討すると回答している。
なお、as a Serviceモデルを検討する理由として、特に日本企業では運用要員の不足や、知識・経験の不足を補うためとする回答が多かった。
GDPIで明らかになったこうしたニーズに応えるため、デル・テクノロジーズは、データ保護ソリューションのアップデートを実施。大規模環境向けデータ保護ソリューションの最新版「PowerProtect Data Manager v19.9」に、従来は困難だった大規模仮想化環境におけるバックアップを簡素化、自動化する「Transparent Snapshot」などを追加した。
PowerProtect Data Managerの最新版に追加された新機能
また、データ保護as a Service(DPaaS)ソリューションとして、マルチクラウド対応の「PowerProtect for Multi-Cloud powered by Faction」や、SaaS/エッジクラウド向けの「PowerProtect Backup Service powered by druva」の提供も計画している。