ワイヤレスジャパン/WTP2021のZETAアライアンスのブースでは、LPWA規格ZETAの最新の動向が把握できる展示内容となっている。
ZETAアライアンスが目下注力しているのが、ビル総合管理システム「DBM(Dynamic Building Matrix)」。IoTセンサーによる設備の状態監視や警備員・清掃員の人員配置などが1つのシステムに統合されたもので、東京建物で導入されている。会場では、DBMのデモを体験することが可能だ。
NTTドコモは、ZETA通信を活用した営農支援プラットフォーム「畑アシスト」の新たなプラットフォームとして「気象ステーション」を展示している。
これは、本体に太陽光パネルのほか様々なセンサーを搭載しており、風速や風向、雨量、気圧などのデータを取得できるというものだ。これにより、新規就農者の戦略的な営農をサポートしたり、局地的な気象の変化に応じた環境制御を行えるという。
様々なセンサーを搭載した「気象ステーション」 |
ソシオネクストは、ZETA対応ICタグ「ZETag」用SoCの量産を行っている。今年1月には次世代ZETA通信規格「Advanced M-FSK変調方式」の開発を開始し、現在は実証用LSIサンプルの開発に取り組んでいるところだ。
ZETA対応ICタグ「ZETag」も展示されている |
Advanced M-FSKは、既存のZETAと比べて20倍以上の転送レート、10dB以上の感度改善を実現するほか、時速60kmの移動体から通信を行うこともできる。
また、ソシオネクストのLSIとZETAを組み合わせた応用ソリューションとして、人やモノの検知を行える電波式測距センサーLSIや、電力線を使ったHD-PLC用LSIも紹介している。
HD-PLC用LSIは、第4世代のIoT-PLCに対応し、伝送距離が2倍/4倍モードに切り替えられる。ZETA APのAC電源ラインを使ったインターネット接続も可能で、スマートビルディングにも適する。
ブースでは、ZETAアライアンスに加盟している中国企業も出展している。ZETAを開発したZiFiSenseは、ZETA/LoRaのデュアルモード中継器を展示。ZETAとLoRaの両物理層アクセスに対応しており、中国国内で高いニーズがあるという。
杭州事科技有限公司(Hangzhou Yishi Information Technology)は、マンホール監視端末やメタンガス監視端末、スプリット型超音波計などを展示している。中国ではガスセンサーなどの通信に主としてNB-IoTが使われているが、NB-IoTがエリア化されていない地域では、ZETAが用いられている。
中国ではガスセンサーなどの通信にもZETAが使われている |