「今の周波数では足りなくなってきており、新たな周波数が使われるようになってきた。そこに対応するためのテストソリューションだ」。キーサイト・テクノロジー アジア パシフィック フィールド マーケティング イニシアティブマネージャの徳田裕司氏は新製品をリリースした背景をこのように説明した。
多くの国で5Gサービスが始まっているが、5Gが今までと大きく異なる点はミリ波の活用にある。
「従来、モバイル通信で使われていた周波数帯は高くても3~4GHzだった。それが5Gでは28GHz帯などのミリ波が使われるようになり、6Gに至っては100GHz以上の周波数帯の活用も検討されている。こうした帯域をこれまで同様の考え方で活用するのは難しく、新たな知識が必要になる」(徳田氏)
広帯域化も進んでいると、キーサイト・テクノロジー ソリューションエンジニアリング本部 ソリューションエンジニアの森田恭維氏は指摘した。
「最近は、5GのFR1(6GHz以下の周波数帯)で100MHz単位の帯域幅が用いられ、キャリアアグリゲーション技術が使われるとさらに広くなる。また、航空や防衛、宇宙の領域では1キャリアでGHzレベルの帯域幅を利用するようになっている。テストソリューションには広い帯域幅への対応が求められている」
さらに、変調方式も複雑化しているが、これらの変化により、テストソリューションにはさらに高いノイズ耐性が要求されているという。
「周波数が高いほどノイズが増え、帯域幅が広いほど信号はノイズの影響を受けやすくなる。また、変調方式が複雑化するほどエラーも発生しやすくなる」(徳田氏)ためだ。
5Gで扱う無線の性質が変わり、テストソリューションの世界にも変化が求められている |