Beyond 5Gの戦略的展開 内外の連携で目指す次のフロンティア

日本のデジタル化の中核的なインフラとなるBeyond 5G推進の枠組みが出来上がった。総務省でBeyond 5Gに向けた取組を担当する筆者が解説する。

昨年春、5Gのサービス提供が始まり、その全国展開が進められている。5Gは、文字通り、昭和54年(1979)に自動車電話サービスとして実用化されたシステムから数えて5世代目の移動通信システムであり、概ね10年ごとに世代を重ねるこのサイクルでは、5Gの次の世代、Beyond 5G(いわゆる6G)は、2030年頃に導入されることが見込まれることになる。

このBeyond 5Gに向けては、既に、各国の研究開発等の取組が活発化している。その中で、世界的な取組を我が国がリードし、また、国内のサプライチェーンリスクを軽減していく見地からも、我が国のBeyond 5Gの要素技術の確立への取組は急務だ。

総務省では、昨年6月に「Beyond 5G推進戦略」を取りまとめた。これは、令和2年1月から開催された「Beyond 5G推進戦略懇談会」(座長:五神真東京大学総長)での議論を踏まえ、研究開発戦略、知財・標準化戦略、5G・光ファイバ網展開戦略の3本柱からなる。

総務省は、現在、この戦略に沿った施策展開を進めており、昨年暮れから今年の初めにかけて、その大きな枠組みが出来てきた。

本稿では、ここで核となる研究開発と知的財産取得・標準化の取組について、現況と今後の見通しについて御紹介する。御関心のある企業、研究機関の皆様には、是非これら各種取組に積極的に参画することの御検討をお願いしたい。

1.Beyond 5GBeyond 5Gには何が期待されるのか。「Beyond 5G推進戦略」では、「超高速・大容量」「超低遅延」「超多数同時接続」「自律性」「拡張性」「超安全・信頼性」「超低消費電力」をBeyond 5Gが具備すべき機能として列記した。

このために検討が必要となるであろう技術としては、例えば、「超高速・大容量」のためには、テラヘルツ波のような高周波の利用技術やマルチコアなどの高速の光ファイバ技術、「超低遅延」のためには、エッジコンピューティング技術、「超安全・信頼性」のためには、量子暗号通信技術、「超低消費電力」のためには、オール光ネットワークの技術の検討が挙げられるだろう(図表1)。

図表1 Beyond 5G要素技術の研究開発テーマ例(画像クリックで拡大)

図表1 Beyond 5G要素技術の研究開発テーマ例

これらが実現することで、例えば、超高精細映像による遠隔医療や、道路交通での渋滞の解消などの実現が期待される。Beyond 5Gは、あらゆる産業・社会・生活の基盤となることが期待される情報通信技術なのである。

月刊テレコミュニケーション2021年3月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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