企業向けIDaaSを提供するOktaは2021年1月29日、2020年にグローバルで最も使用された業務アプリの利用動向に関する年次調査「Business At Work 2021」について、記者発表会を開催した。
調査は、6500以上のアプリケーションとの事前インテグレーション(統合)を提供する「Okta Integration Network(OIN)」のデータに基づき、Okta経由でどのような業務アプリが使われているかを分析して行われた。Oktaのユーザーは9400社超、調査対象期間は2019年11月1日~2020年10月31日となっている。
最も人気のある業務アプリトップ15を見てみると、1位はMicrosoft 365、2位はAmazon Web Serviceだった。ZoomやSlackといったコラボレーションアプリも急成長を見せた。セキュリティではKnowB4がランクインした。
最も人気のある業務アプリ(顧客数ベース)
最も人気のある業務アプリ(顧客数の地域別)
また、最も急成長した業務アプリの上位10のうち、4つがセキュリティ関連となった。下のグラフの、次世代型ファイアウォールを提供する「Fortinet Fortigate」、クラウドネイティブなエンドポイントセキュリティの「VMware Carbon Black Cloud」、アプリケーションモニタリングの「SENTRY」、パスワード管理の「1Password」がこれにあたる。
最も急成長した業務アプリ(前年比)
リモートワーク下で人気のセキュリティツール「最も人気のあるネットワーク中心のセキュリティツール」で特筆すべきは、Palo Alto Networksの「GlobalProtect」が前年比75%増、過去3年間で1976%成長し、Cisco 「AnyConnect」が過去3年間で1130%成長していることだ。AWSの「Client VPN」も5月から急成長しており、「こうしたVPNのセキュリティがコロナ禍で成長率を高めている」とOkta データ分析ディレクターのローレン・アンダーソン氏は説明する。
Okta データ分析ディレクターのローレン・アンダーソン氏
最も人気のあるネットワーク中心のセキュリティツール(顧客数ベース)
さらに、「ネットワーク中心のセキュリティと同じように重要なのが“人中心”のセキュリティ」だと同氏は言う。特に、社員向けのセキュリティトレーニングアプリケーションの「KnowB4」が前年比46%増、過去2年間で194%、パスワード管理ツールの「1Password」が過去2年間で582%と高い伸びを示した。
最も人気のある人中心のセキュリティツール(顧客数ベース)