NTTドコモとJR東日本は2021年1月28日、新幹線試験電車（ALFA-X）による5Gの無線通信実験において、実証実験としては国内最高速度となる時速360kmで成功したと発表した。

時速360kmで走行する5G通信実験中のALFA-X

高い周波数帯を用いる5Gは、高速鉄道ではドップラー効果や線路周辺の遮蔽物の影響を受け、通信品質が不安定になるという課題がある。

今回の実証実験は2020年10～12月に東北新幹線 仙台～新青森間の一部区間において、沿線の2カ所にSA（スタンドアローン）方式の実験用5G基地局を設置して行われ、通信効率の改善により、移動局の受信時最大500Mbps以上、送信時最大100Mbps以上の通信速度を達成した。また、通信速度を劣化させることなく基地局の切り替えができることが確認されたという。

併せて、地上とALFA-X車内の双方向で、4Kと8Kの高精細映像を5Gで安定的に伝送する実証実験にも成功した。

具体的には、約30分間の4K映像コンテンツを約1分の通信時間でダウンロードできたほか、2つの基地局により約5kmの安定した5G通信エリアの構築により、4Kと8Kの映像コンテンツのストリーミング再生も行えたという。

今回の実証実験で新幹線に代表される高速鉄道でも安定した5Gの高速通信が実現できることが確認され、4Kや8Kの高精細映像の伝送など、これまで実現することが難しかった新たなサービス提供の可能性が広がるとしている。