IDC Japanは11月14日、国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場に関する2018年のベンダーシェアを発表した。コンピューティングの仮想化/自動化に強みを持つVMwareが市場をリードしていることが分かった。
VMwareは、2018年も国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場で高い成長を実現。ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場を提供形態別で分類したNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェア市場において72.6%のシェアを占め、他の追従を許さない状態だ(図表 上)。
背景には、競争力が高くインストールベースが広大なVMwareのサーバー仮想化環境における仮想化/自動化の次のステップとして、VMware NSX Data Centerを活用したネットワーク仮想化の導入に顧客が着実に進んでいることが挙げられるという。
また、ネットワークインフラストラクチャ市場で高いシェアを有するシスコシステムズも、VMwareと共に市場を牽引しており、ネットワーク仮想化/自動化プラットフォームの提供形態の1つであるコントローラーアプライアンス市場では61.7%のシェアを獲得した(図表 下)。
データセンターネットワークの運用、構築の効率化や自動化を推進する中でCisco ACIの採用が進んでいることに加え、企業ネットワークの自動化を柱とするCisco DNA Centerの導入も加速している。
さらに、ソリューション開発の面でも、VMwareとシスコシステムズは、マルチプラットフォーム化を推進し、アジャイル開発やサブスクリプションモデルを採用するなど、市場の動きを牽引しているという。
IDC Japan コミュニケーションズ グループマネージャーの草野賢一氏は「ネットワーク仮想化/自動化市場をリードしようとするベンダーには、ネットワーク分野におけるサブスクリプションモデルの有用性と活用方法の啓発活動が求められる。特に、サブスクリプションモデルの価値を十分に発揮する企業のネットワーク運用体制への転換を促すことが重要である。企業ネットワーク運用管理のトランスフォーメーションが、サブスクリプションモデルの受容には欠かせない」と述べている。
図表 国内NVOソフトウェア市場、コントローラーアプライアンス市場
ベンダー別 売上額シェア、2018年