エッジデータの爆発と通信事業者「ネットワークはx86に置き換わる」

5Gがスタートすれば、いよいよエッジデータが爆発的に増加する。それにより、ネットワークはどんな変革を迫られるのか。米デルテクノロジーズ シニアバイスプレジデントのトム・バーンズ氏に聞いた。

――5Gがスタートしたことで、さらにデジタル化が加速していくと思いますが、課題は何ですか。

バーンズ 何と言っても、データが爆発的に増大していくことです。エッジのデバイスの数が増大し、5Gも普及していくなか、ますます大量のデータが収集されることになります。この爆発的に増えたデータをいかに活用し、より優れた意思決定を行っていくかが、企業やサービスプロバイダーにとっては非常に重要な課題となります。

――どう対応すればいいでしょうか。

バーンズ デルテクノロジーズの信条は「マルチハイブリッドクラウド」です。データは今後さらに複数のロケーションに分散して生成されますので、従来のようにコアのデータセンターだけで対応することは困難です。コア、クラウド、エッジを組み合わせ、それぞれのロケーションで最適に処理するマルチハイブリッドクラウド環境が必要です。

通信事業者について言いますと、マルチハイブリッドクラウドの実現にあたっては、次の4つの大きな柱があると考えています。

米デルテクノロジーズ ネットワーキング&ソリューション担当 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのトム・バーンズ氏
米デルテクノロジーズ ネットワーキング&ソリューション担当 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのトム・バーンズ氏。ネットワーキングに絡むグローバル全体の戦略/研究開発/オペレーション/セールスを統括。さらにエンタープライズ、サービスプロバイダー、通信事業者向けのソリューションも統括する

1つめはネットワークのモダナイゼーションです。過去を振り返ると、通信事業者はプロプライエタリな製品を活用してきました。この従来型のネットワークをx86ベースのアーキテクチャーに改革し、そのうえでNFVのソフトウェアを走らせ、よりシンプル化して自動化やスケーラビリティを追求していく必要があります。

2つめは、アプリケーションとその管理のモダナイズです。もっと具体的に言うと、OSS/BSS(Operation Support System/Business Support System)を変革し、エンドトゥエンドでネットワークの自動化、オーケストレーションを進めていかねばなりません。この領域については、マイクロサービス化が進展することで、マルチハイブリッドクラウド対応が図られていくと見ています。

3つめは、エッジを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)と、そのマネタイズです。たくさんのビジネスケースが生まれてくるでしょう。

そして4つめの柱が、ワークフォースのトランスフォーメーションです。人材発掘やスキル獲得など、働き手や働き方も大いに変えていく必要があると考えています。

月刊テレコミュニケーション2019年10月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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