NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)は2019年10月16日、多段構成のエッジコンピューティングを組み合わせたローカル5Gの実証実験環境を構築し、2020年2月より検証を開始すると発表した。
同社は、端末からの距離が異なる複数のエッジサーバーを多段で構成し、ニーズに応じた最適な位置におけるデータ処理を可能にする多段エッジコンピューティングの技術開発を進めている。本実験では、この技術をローカル5Gと組み合わせることにより、トラフィック制御やセキュリティなどの機能を加えた高付加価値な無線ネットワークを構築し、技術的な検証や、ビジネスへの活用に必要な仕様の検討などを進めていくという。
具体的には、2018年から、ネットワーク上でトラフィックが集中する箇所(ネットワークエッジ、CPEなど)に多段でコンピュートリソースを配置し、通信内容に応じた適切な位置でトラヒック制御やセキュリティなどの機能を提供するプラットフォーム「VxF基盤」を開発。今回の実験では、このプラットフォームをローカル5Gのモバイル環境における多段エッジコンピューティングに応用する。
検証のイメージ
実験は、ラグビートップリーグに所属するNTTコム「シャイニングアークス」のホームグラウンドである「アークス浦安パーク」(千葉県浦安市)に実験環境を構築し、2020年2月から検証を開始する。ローカル5Gで用いる電波の伝搬・通信特性や、システムの機能検証を実施。また、スポーツ分野や「Smart Factory」における利用など、さまざまな活用事例を想定しながら、VxF基盤に求められる要件を抽出していくとしている。
さらに2020年度以降は、NTTコムが提供する「Smart Data Platform」や「Flexible InterConnect」と組み合わせた実証実験を複数拠点で実施する予定だ。