“10ギガ光”を安くする新発想OLT 汎用スイッチと組み合わせて導入コストを6割削減

汎用スイッチと組み合わせることで10Gbps PONの局側光終端装置(OLT)として機能する新タイプの光トランシーバーモジュールが登場した。OLTの導入コストを6割削減できるという。

昨年から本格的に提供され始めた10GbpsのFTTHサービス。その提供コストを大幅に引き下げる可能性を持った新製品「Tibit MicroPlug OLT」の量産出荷が2月から始まった。米Tibit Communications社が、2014年の創業当初から開発を進めてきた10G XGS-PONと10G-EPONに対応した世界初のプラグインPON OLTである。

Tibit社が2月に量産出荷を開始した「MicroPlug OLT」
Tibit社が2月に量産出荷を開始した「MicroPlug OLT」

汎用スイッチがOLTにFTTHでは、光ファイバーを分岐させて加入者を効率よく収容するPON(Passive Optical Network)と呼ばれる技術が広く使われている。10Gbps対応の最新規格であるXGS-PONでは、1本の光ファイバーに最大128のONU(Optical NetworkUnit:加入者宅内装置)を接続できる。

通信事業者の収容局でPONの光ファイバー群を収容し、ONUとコア/メトロネットワークとの橋渡しを行う装置がOLT(Optical Line Terminal)だ。OLTでは、多重化やパケットスイッチングなどの処理を行っている。

MicroPlug OLTは、OLT機能をトランシーバーの筐体内に組み込んだ製品で、イーサネットスイッチとMicroPlug OLTを組み合わせることでOLT機能を実現できる(図表)。

現行のOLTの筐体はかなり大掛かりな専用シャーシとなっているが、これを最適なポート数を備えた安価な汎用スイッチに置き換えられるのだ。

図表 Tibit社が開発した新タイプのOLTのコンセプト
図表 Tibit社が開発した新タイプのOLTのコンセプト

Tibit社でマーケティング・セールス担当副社長を務めるジェイ・テボレック氏はこう強調する。

「MicroPlug OLTは機能や能力を抑えて小型化を図ったものではなく、既存のOLTと同等の機能と能力を実現している」

米Tibit Communications社 セールス&マーケティング担当副社長 ジェイ・テボレック氏
米Tibit Communications社 セールス&マーケティング担当副社長 ジェイ・テボレック氏

これを可能にしたのが、同社が独自開発した「PONブリッジチップ」だという。OLTの多様な機能を1個のASICに集約したもので、ワンチップ化により、小型化と省電力化、さらに発熱も抑制。OLT機能の小型モジュールへの搭載を可能にした。

月刊テレコミュニケーション2019年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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