「1966年にオンライン警備システムを提供したセコムはIoTの元祖。無人施設において、機械警備は“平成時代”に当たり前になった。今度は有人施設において、バーチャル警備システムという次世代モデルを“令和時代”の当たり前にしていきたい」
セコム、AGC、DeNA、NTTドコモの4社は2019年4月25日、「バーチャル警備システム」の試作機を開発したと発表。その記者説明会の場で、セコム 代表取締役社長の中山泰男氏はこう意気込んだ。
(左から)AGC 執行役員 ビルディング・産業ガラスカンパニー アジア事業本部長の武田雅弘氏、セコム 執行役員 企画担当の上田理氏、セコム 代表取締役社長の中山泰男氏、DeNA 常務執行役員 渉外統括本部 本部長の渡辺圭吾氏、NTTドコモ 執行役員 第二法人営業部長の櫻井俊明氏。両脇に立つのは、バーチャル警備員の「愛(あい」(左)と「衛(まもる)」 |
バーチャル警備システムは、AIや5Gなどを活用した警備・受付業務システムである。周辺環境が映り込むミラーディスプレイに、3Dキャラクター「バーチャル警備員」を表示。搭載しているカメラ、マイク、モーションセンサーで得た情報をAIで解析し、自律的に警備・受付業務を行うことができるという。
バーチャル警備システムの概要
例えば、こんなデモが披露された。
子供の目線に合わせて、
屈んで応対するバーチャル警備員
まずは、勝手知ったる取引先が訪問してきた場合。バーチャル警備員は警戒監視しているさまを周囲に見せながら、訪問者が慣れた様子であることを画像によって認識し、挨拶だけを行った。
次は、少し迷った様子の訪問者。その訪問者がバーチャル警備員に自分の名前や訪問先を伝えると、バーチャル警備員が担当者の予定を確認・連絡し、「ロビーでお待ちください」と応対した。
さらに、VIPの訪問を顔認識で検知してもてなしたり、フルフェイスヘルメットをかぶったままの訪問客にヘルメットを脱ぐよう音声案内したり、社員のIDカードを検知して「お疲れ様です」と挨拶するなどのデモが行われた。子供がトイレを借りに来ると、子供の背丈まで腰を下ろしたうえで、トイレの場所を教えるといったこともできる。