5Gの既存4G帯域への導入、2020年中にも可能に

3G/4Gで利用されている既存周波数帯(700MHz帯~3.5GHz帯)への5Gを導入が早ければ2020年中にも可能になる。

5Gの技術的条件を検討してきた情報通信審議会の新世代モバイル通信システム委員会 技術検討作業班は2月27日に開かれた第11回会合で、5G向けに新たに割当が検討されている新周波数帯4.9~5.0GHz、26.6~27.0GHz、39.5~40.0GHzなどの共用条件とともに、既存3G/4G周波数帯へ5Gに導入するための技術条件の検討に入った。

総務省では、作業班の議論を踏まえて新世代モバイル通信システム委員会が今年11月に取りまとめる報告書を受け、制度化を進める。作業が順調に進めば2020年中に既存周波数帯で5Gの無線仕様(5GNR)の利用が可能になる見込みだ。

3GPPでは、既存の3G/4G帯域の一部を5G運用帯域として規定しており、すでに米国では600MHz帯、2.6GHz帯、欧州では700MHz帯に5Gを導入する動きが出てきている。総務省では、「世界の流れに日本としても遅れることがないようにしたい」と語る。

3月27日の作業班第12回会合で行われた移動通信事業者へのヒアリングでは、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが、5GNRが4G(LTE-Advanced)の技術条件を満たしていることから、「追加の共用検討は不要」という見解を示した。

3社の中でもKDDIは既存帯域への5GNRの導入に意欲的で、「5Gサービスを全国にくまなく提供するには面的なエリアカバーが可能な既存周波数のNR化が不可欠」とし、導入を円滑に進めるために、3GPPで策定された5Gを4Gと同一周波数帯内で共存させる新技術「DSS(Dynamic Spectrum Sharing)」が利用できるようにすることを求めた。

楽天モバイルネットワークは、「10月から1.7GHz帯で4Gによるサービスを行うが、将来既存周波数に速やかに5Gを導入できるよう、DSSなどの技術を適用できる制度整備を望む」とした。

作業班では、日本でBWAなどに使われている2.6GHz帯、中国などでTD-LTEに用いられている2.3GHz帯の5Gの導入に向けた共用検討も行われる。これを受けBWAを展開するUQコミュニケーションズとソフトバンク(Wireless City Planning)は、それぞれが運用するBWAの5G仕様「WiMAX R3.0」「XGP Ver3.5」への技術的条件の対応を求めた。

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