2019年の通信業界における最重要テーマの1つが、5G(第5世代移動通信システム)であることに異論はないだろう。
総務省は2019年3月末(2018年度末)を目途に、5Gの周波数の割当を行う。順当に行けば、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの既存携帯キャリアと、新規参入する楽天の計4社に電波が付与される。
開設指針案によると、総務省は5Gサービスを全国で提供する事業者向けに、3.7GHz帯(100MHz幅で5枠)、4.5GHz帯(同1枠)、28GHz帯(同4枠)の合計10の割当枠を用意している(図表1)。
図表1 5G周波数の割当案
事業者への割当審査では、人口等のカバレッジの広さを評価する従来の指標に代わり、①全国への展開可能性の確保、②地方での早期サービス開始、③サービスの多様性の確保の3点を評価する指標を新たに設ける。5G時代にはヒトだけでなく、あらゆるモノがサービスの対象となること、また地域課題解決や地方創生への活用が期待されることによるものだ。全国を10km四方のメッシュに区切り、5年以内に50%以上のメッシュでの5G整備を絶対審査基準とするとともに、認定から2年後までに、全都道府県で5Gの運用を開始することが要件となる。
サブ6GHz帯と呼ばれる3.7/4.5GHz帯は電波が届きやすい反面、周辺局からの干渉を受けやすく、面的なエリア展開に適する。ミリ波帯の28GHz帯は直進性が高く電波が届きにくいが、その分、干渉となる電波も飛びづらいため、局所的に高密度なエリア展開に向くといわれる(図表2)。こうした周波数の特性に加えて、基地局装置を世代間で共用する目的から、既存のLTEを補完・拡張しつつ5Gのエリアを広げていくことになりそうだ。
図表2 周波数の特徴