省電力・長距離通信を特徴とするIoT向け無線通信技術「LPWA」――。その1方式である「LoRa」を活用したユニークな製品が登場した。mtes Neural Networksが2018年11月21日に発表したAIカメラ付きLED屋外照明「AIマキビシカメラ&アルカス防犯・街路灯」だ。
不審者などの異常をAIが検知すると、カメラで静止画を撮影。LPWAの省電力性を活かし、電源不要でHD画質の静止画をクラウドなどに送信する。LED屋外照明と監視カメラの2つの機能を統合した製品だ。
「AIマキビシカメラ&アルカス防犯・街路灯」と
mtes Neural Networks 代表取締役社長 CEOの原田隆朗氏
電源不要なのは、太陽光パネルと蓄電池を搭載しているからだ。
「太陽光パネルで街路灯というと、パネルを南に向ける必要があると思われる方もいるだろう。しかし、可視光を吸収できるパネルで、西向きでも東向きでも北向きでも、さらには月の光でも発電して蓄電できる」と代表取締役社長 CEOの原田隆朗氏は説明した。
電力を消費する部分にも当然工夫がある。LED照明メーカーのスリーエスと共同開発した照明部については、140ml/wの高効率を実現。曇り・雨天状況下でも、最大90時間の点灯状態を確保できるという。
AIマキビシカメラ&アルカス防犯・街路灯の各部
また、カメラに搭載するAI機能についても、「低消費電力でニューラルネットワークを実現するアクセラレーターを搭載」(代表取締役副社長 CTO COOの濱田晴夫氏)。そして、通信に関しても低消費電力のLoRaを採用した。
現在提供できる学習済みのAIモデルは、クルマや人物の検知、顔認識などで、今後様々なモデルを発表していく予定だという。
カメラには超広角220度のレンズを採用しており、1つのカメラで非常に広い範囲を撮影可能。画素数は808万画素で、3280×2464ピクセルの静止画を撮影できる。また、AIを活用した暗視機能も備えている。