米国のSD-WANベンダー、Versa Networks(以下、Versa)の名が、日本でも一躍知られるようになったのは昨年秋のことだ。
KDDIが2017年10月に発表したSD-WANソリューション「KDDI SDNetwork Platform」に同社の技術が採用されたのがきっかけだが、今後Versaの名をさらに多く耳にすることになるかもしれない。
「最近、NTTコミュニケーションズとの協力関係も強めており、日本の大手通信事業者経由での事業拡大を加速させていく」と、Versaの創業者でCDOのクマール・メータ氏は明かす。
Versa Networks 創業者 兼 CDOのクマール・メータ氏
Versaは、通信事業者などのサービスプロバイダーにフォーカスしたSD-WANベンダーだ。
「我々は2012年に創業したスタートアップ。サービスプロバイダーを通じて販売することで、より多くの顧客にリーチできるため、このビジネスモデルに決めた」とメータ氏は説明する。
現在同社のパートナーとなっているサービスプロバイダーの数は65社。「米国の大手サービスプロバイダー5社のうち、CenturyLinkやベライゾンなど4社をすでに獲得している」とグローバルセールス担当のバイスプレジデントを務めるトニー・ファローズ氏は胸を張る。
Versa Networks VP of Global Sales(SPs) トニー・ファローズ氏
また、Versaを採用しているユーザー企業の数は現在約600社で、米金融大手のキャピタル・ワン、セキュリティ大手のシマンテック、インドのEコマース大手であるフリップカートなども同社の顧客。ファローズ氏は「年末までには1000社を超えるユーザー企業を獲得できそうだ」と語る。メータ氏によれば、「米国のサービスプロバイダー経由で毎月700~1000のブランチにデプロイされている」という。なお、サービスプロバイダー経由ではなく、Versaがダイレクトに顧客にサービスを提供しているケースも少なくないとのことだ。