――ブロケードは6月、ハイエンドルーターNetIron MLXシリーズ対応の新しいブレード製品を投入しました。トラフィック急増やクラウド化の進展などを背景に、ネットワークインフラは一層の大容量化を迫られていますが、新製品はこの課題にどう応えますか。
カンナ 世界の大手IXでは、18~24カ月ごとにトラフィックが2倍に増大しています。また、データセンターではサーバー仮想化がトレンドですが、2009年に18%だった仮想化されたサーバーの割合は、2012年には50%に達すると予測されています。これが意味するところは、1つのリンクにより多くのトラフィックが流入するということです。
こうした変化に対応するにはルーターの高性能化が不可欠ですが、我々の戦略は「まず既存のルーターの高密度化により、キャパシティを上げる」というものです。過去の投資を保護できますし、また1つの大容量ルーターに集約することはネットワークのシンプル化にもつながるからです。
今回の新製品は、従来比2倍となる8個の10GbEポートを搭載しており、1台のルーターで最大256個の10GbEポートを実装できます。10GbEのワイヤスピードポート数では、コアルーターの中で我々が最高です。また、ポート単価は40%、ポート当たりの消費電力は45%削減しました。
左はMLXシリーズ、右はブレードの新製品 |
――キャリアイーサネット向けの「8x10G-Mブレード・シリーズ」とデータセンター向けの「8x10G-Dブレード・シリーズ」という2つのブレードを用意していますが、その理由は。
カンナ データセンター向けはMPLS/VPLS機能などを省いており、その分、低価格に設定しています。競合他社のルーターは通常、データセンター向けとサービスプロバイダー向けで別々のプラットフォームになっています。そのため、運用負担が大きくなるだけでなく、設備投資額も膨らみます。一方、MLXシリーズの場合、単一のプラットフォームでデータセンターとキャリアイーサネットの両方の目的に利用できるのです。