「今日、一番説明したいのがセキュリティファブリックというコンセプト」。2018年4月20日に開催されたフォーティネットジャパンの事業戦略説明会。そのなかで久保田則夫社長執行役員はこう述べた。
セキュリティファブリックとは、フォーティネットが昨年から提唱しているテクノロジービジョンのことだ。BROAD(幅広い)、INTEGRATED(統合化)、AUTOMATED(自動化)の3つがキーコンセプトとなっており、同社のWebサイトでは以下のように解説されている。
「セキュリティファブリックは、仮想、クラウド、オンプレミスのあらゆるネットワークセグメント、デバイス、アプライアンスの広範な保護と可視化を実現する。セキュリティリソースを自動的に同期させることで、ポリシーの適用、さらには、ネットワークのあらゆる場所で検知される脅威への自動レスポンスが可能になり、単一コンソールで異なるセキュリティソリューションや製品を簡単に管理できるようになる」
セキュリティファブリックの概要
久保田氏によれば、セキュリティファブリックの必要性が高まっている背景には、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展がある。DXにより、企業ネットワーク内だけではなく、クラウドやIoT/OTなどにも企業のIT資産が拡大するなか、「攻撃される領域自身も広がっている」(久保田氏)からだ。
さらには、「企業が使っているポイントソリューションの製品数は、大体30を超えている」(久保田氏)と言われており、セキュリティ担当者が管理することが非常に困難になっていることも大きな要因の1つである。
そこでDX時代には「セキュリティトランスフォーメーション」が必要であり、それを可能にするのがセキュリティファブリックというのがフォーティネットの主張だ。
フォーティネットというと、UTMベンダーの印象が強いが、実際にはサンドボックスやエンドポイントセキュリティ、CASBから、無線LANアクセスポイントやスイッチまで、多様なポートフォリオを展開している。また、セキュリティファブリックでは、パートナーとのAPI連携にも注力。さらに、これらを一元管理する仕組みも用意することで、セキュリティファブリックを実現するという。
フォーティネットでは昨年度、セキュリティファブリック関連のビジネスが42%成長したそうだ(同社の会計年度は1月から)。
フォーティネットの2017年度の業績ハイライト