[特集]IoT無線を自営する<Bluetooth mesh>オフィス導入第1号はドコモCS千葉支店

昨年7月に登場したメッシュ対応のIoT無線規格「Bluetooth mesh」。このBluetooth meshでIoTネットワークを構築する企業が出始めた。ドコモCS千葉支店は社員や文房具の位置情報に活用している。

ドコモCS千葉支店は、JR千葉駅近くのオフィスビル16・18階にある。

18階は2つのオフィススペースに分かれており、どちらも社員が個別の机を持たないフリーアドレスだ。複数人が着席できる円形テーブルもあれば、靴を脱いで畳に正座する和室タイプ、カフェのようなハイカウンター、集中した環境を作り出す個室スペースなど、多様なスタイルの中から各自が選ぶことができる。

千葉支店がフリーアドレスを導入したのは2016年12月。それまでは営業部、法人営業部、企画総務部が16階と18階の2つのフロアに分散。部署が異なると顔と名前が一致せず、社内のコミュニケーションに「壁」が生じていた。「部署や役職に関係なく自由に交流できる環境を作り、壁を取り払いたい」という考えから、フリーアドレスを採用したという。

ドコモCS千葉支店のオフィス
ドコモCS千葉支店のオフィス

3つの部署を18階に集約しフリーアドレスを始めたが、すぐに大きな問題にぶつかった。3部署を合わせた社員数は約150人と大所帯のうえ、営業部や法人営業部の担当者は外出で不在にしている機会が多い。「誰がどこにいるのかお互いに分からない。上司も部下がどこで何をしているのか管理しきれない状況が生まれていた」と企画総務部 企画総務担当課長の片岡卓士氏は振り返る。

ドコモCS千葉支店 企画総務部 企画総務担当課長の片岡卓士氏(右)と川島靖史氏
ドコモCS千葉支店 企画総務部 企画総務担当課長の片岡卓士氏(右)と川島靖史氏

最初に取った解決策が、壁に張り出したフロアマップ上の座席表に、自分の顔写真と氏名を記したマグネットを置くというものだ。「出社したらまず、その日の着席場所にマグネットを動かすこと」とルールを決めたが、なかにはきちんと守らない人もいた。しかも離席や外出などプレゼンス状況が反映されないため、不便さの解消には至らなかった。「各自が意識することなく、自動で居場所がわかる仕組みはないか」――。社員の位置情報を「見える化」する観点から探した結果、たどり着いたのがBluetooth meshを使ったIoTシステムだった。

月刊テレコミュニケーション2018年2月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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