[特集]IoT無線を自営する<Wi-SUN FAN>ちょっとリッチな自営LPWA!街の不感地帯ゼロ作戦

IoT用ネットワークとしてLPWAを自営したいが、LoRaWANのスペックでは物足りない――。こんな課題を抱えている企業がいま注目し始めているのが、メッシュ型で広域をカバーする「Wi-SUN FAN」だ。

標準化された自営LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークというと、「LoRaWAN」に目を奪われがちだ。しかしここにきて、「Wi-SUN FAN」の需要がジワジワと高まってきている。

「『自営LPWAとしてLoRaWANを検討したが、それではデータ量が足りなかった』という企業から、多数の問い合わせを受けている」。日新システムズの和泉吉浩氏は、同社に寄せられているWi-SUN FANに関する問い合わせについてこう明かす。

日新システムズ インダストリアル・ソリューション事業部 営業企画室 主査 和泉吉浩氏
日新システムズ インダストリアル・ソリューション事業部 営業企画室 主査 和泉吉浩氏

実用可能なフェーズに突入Wi-SUN FANは、情報通信研究機構(NICT)が中心となり、Wi-SUNアライアンスで標準化された無線通信規格「Wi-SUN」のプロファイルの1つだ。巷にはベンダーが独自開発した数々のLPWAが存在するが、標準化されているWi-SUN FANは特定のベンダーにロックインされることはない。Wi-SUN FANのFANは、Field Area Networkの略称で、主に屋外での利用が想定されている。

Wi-SUN FANプロファイルの規格はすでに定まっており、デバイスベンダーなどは実証実験を進めている。相互接続の認証は2018年第1四半期に開始される見込みであり、Wi-SUN FANの実用化に向けた準備はすべて整っている。今は、ユーザー企業が求めるIoTシステムの要件を満たせるかどうかなどをフィールドで検証し、本格導入を目指すフェーズにある。

もう1つのLoRaWANもWi-SUN FANと同じフェーズだ。規格や認証などの整備は済んでおり、いくつものフィールド検証が展開中だ。

月刊テレコミュニケーション2018年2月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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