日本中に張り巡らされ、FTTHやLTEサービスを支えている光伝送ネットワークは、IoTデバイスの普及や高精細な映像配信サービスの増加などの要因で増大するトラフィックに対応するため、増強を重ねている状況にある。トラフィックの増大が収益に直接結びついているとは言えないなか、これにどう対応していくかは通信事業者にとって大きな課題だ。
そしてトラフィックの伸びは、今後さらに勢いを増す。
シスコシステムズの年次レポート「Cisco VNI」によれば、世界のIPトラフィックは年平均24%で増加し、2021年には2016年の3倍に膨らむ見込みだ。日本の成長率はそれを上回る26%と予測されている(図表1)。
図表1 日本のIPトラフィックの増加予測
このように爆発的に増えるトラフィック需要に応えるため、光伝送の容量を飛躍的に高める新技術が実用化段階に入った。現在主流の100G光伝送を超える「Beyond 100G」技術だ(図表2)。
図表2 Beyond 100G光伝送方式
NTTネットワークサービスシステム研究所でネットワーク伝送基盤プロジェクト・超高速光リンクDP 主幹研究員ディレクタを務める前田英樹氏は、「400Gがすでに一部のネットワークに入り始めた。今後、メトロネットワーク(NTTでいう市や県単位の網)やそれを集約するコアネットワークに展開され、2020年には400Gが主流になっているはずだ」と話す。