「引き続きマーケットのアナリティクスに対する需要は強い。特にAIとIoTは大変なブームで、お陰様でSASジャパンは二桁成長を遂げることができた」
2018年1月25日に開かれたSAS Institute Japanの記者説明会。代表取締役社長の堀田徹哉氏は、2017年度をこう振り返った。従来より強みとしてきた金融に加え、昨今のデジタル変革の進展にともない、製造業や小売業なども、SASジャパンの成長を大きく牽引したという。
SASジャパンの2017年度の業種別成果
業績好調のSASジャパンはこれまでの戦略を大きく変えることなく2018年度のビジネスも進める方針だが、そうした中にあって新たな成長ドライバーとして注力する1つが「SAS Viya」である。
「Viyaによって新しいホワイトスペースを開拓し、SASの成長をドライブしていく。これからのSASの成長にViyaという新しいプラットフォームは欠かせない」と堀田氏は語った。
アナリティクスの取り組みが失敗する3つの理由SAS Viyaは、同社が2年前にリリースした統合アナリティクスプラットフォームだ。
AI/IoTブームの中、数多くのアナリティクス製品が市場に出回っているが、なぜSAS Viyaなのか。ソリューション統括本部 ビジネス開発グループの小林泉氏は、多くの企業が直面している課題を指摘しながら、SAS Viyaの特徴を紹介した。
SAS Viyaのアーキテクチャ概要
AIやIoTを活用したアナリティクスに取り組んでいるものの、なかなか成果につながらない――。そうした企業は少なくないはずだが、小林氏によると、その理由は大きく3つに分類できるという。
1つめは、データの取得・加工・品質・準備といったデータハンドリング。「どんなデータを持ってくるのか。分析する前のデータハンドリングのところで大きな課題を抱えている」
2つめは、予測モデリングの問題だという。「スキルのギャップがあり、うまく使いこなせなかったり、いろんなモデルを作っていて、整合性が取れないといった課題がある」
そして最後が、「ビジネスにおける価値創出とガバナンス、実行と評価」だ。「ビジネスというのは、計画を立てて実行し、それを評価することで回っていく。だが、ビジネス価値が出ているのか、評価できていないお客様が多くいる」
小林氏によれば、こうした課題を解決し、アナリティクスの活用によってビジネス価値を創出するためには、アナリティクス・ライフサイクルが重要なカギを握るという。以下のスライドに示したData → Discovery → Deploymentの大きく3つのプロセスから成るライフサイクルである。
「この3つのプロセスを高速に回す必要があるのがアナリティクスの難しいところだが、SAS Viyaはこの3つを単一環境で回すことができる」と小林氏は説明した。
アナリティクスでビジネス価値を出すために必要なライフサイクル
さらに堀田氏も、これら3つのプロセスの一部を提供するベンダーは多いが、「全部を1つのテクノロジー上で統合しているのはSASだけ。そこが最大の特徴で唯一無二」とSAS Viyaをアピールした。