「実はマーケット全体がクラウド化に舵を切る前から、我々は戦略的にクラウド化への対応を進めてきた。その結果、世界で上位のOTTとも手を組めており、今のところ非常に良いシェアを獲得できている。我々の最大の成長分野の1つがクラウドの市場だ」
クラウド市場での優位性をこうアピールするのは、ジュニパーネットワークス APAC セールスエンジニアリング担当副社長のジュン・シー(Jun Shi)氏だ。
その同社は6月29日、クラウドの俊敏性とイノベーションを加速するための新しいビジョンである「Cloud-Grade Networking」を発表した。
Cloud-Grade Networkingを構成する4つの要素
コアルーターのシャーシをQFXシリーズと共通化Cloud-Grade Networkingのビジョンは、4つの要素で実現される。
1つめは「Everywhere Networking」である。「共通のハードウェアインフラを活用しながら、ソフトウェアの機能についてはディスアグリゲーション(分離)し、様々なものを提供しようというものだ。ルーティングとスイッチングの間の境界線はより曖昧になってきており、2つの分野を共通のデザインで対応可能にする」
具体的には今回、コアルーター「PTX10008」と「PTX10016」を新たに発表した。データセンター向けスイッチ「QFXシリーズ」と共通のシャーシ「Universal Chassis」を採用しているのが大きな特徴だ。このため、「非常にコンパクトな設計になっており、電源効率も密度も高い。スペースを最適化したクラウドスケールのコアルーターだ」とシー氏は説明する。例えば、13UサイズのPTX10008の場合、100GbEを最大240ポート搭載できる。
ジュニパーは今後、エッジルーターの「MXシリーズ」についても、Universal Chassisへの対応を進めていくという。
共通シャーシを採用するPTX10000シリーズ