ソニックウォール・ジャパンは2017年5月12日、本社CEOの来日に合わせて、記者説明会を開催した。
昨年11月にデルから独立したソニックウォール。これに伴い、新たにCEOに就任したビル・コナー氏が強調して説明したビジョンが、「Automated Real-time Breach Prevention」である。
これは、ディープラーニングも活用したクラウドベースのセキュリティソリューションで実現されているもの。
すでにインターネットトラフィックの大半は暗号化されており、「2年後にはマルウェアの80%が暗号化されたトラフィックから来ると言われている」というが、Automated Real-time Breach Preventionではまず、そのペイロードが暗号化されているのか、暗号化されていないのかを確認。続いて、ディープラーニングによって、マルウェアかどうかを判定する。
ただ、これで検知できるのは、既知のマルウェアファミリーに属する脅威に限られる。コナー氏によると、99%超のマルウェアは何らかのファミリーに属するが、残り1%のマルウェアは検知できない。
そこで、こうした未知のマルウェアについては、クラウドベースのサンドボックスで判定を行う。ソニックウォールのサンドボックスは、3種類の異なるエンジンを備えているのが特徴だ。サンドボックスによって、マルウェアだと分かれば、その情報はディープラーニングのほうにフィードバックされる。
こうした一連の分析にかかる時間は、「エンド・トゥ・エンドでほとんどの場合、2秒くらい」とコナー氏。ソニックウォールが「リアルタイム」を謳っているのは伊達ではないようだ。
なお、ソニックウォールでは現在、4つめのサンドボックスエンジンも開発中だという。
(右から)ソニックウォール CEOのビル・コナー氏、ソニックウォール・ジャパン 代表の藤岡健アジアパシフィック&ジャパン バイスプレジデントのスコット・マクレディ氏 |
「ソニックウォール大学」でパートナー向け教育代理店向けのプログラムである「SecurityFirst パートナープログラム」の日本での開始も発表された。実績に応じて代理店にリベートを支払うインセンティブの仕組みなどが用意されている。「これまで日本には、オフィシャルのパートナープログラムがなかった。今回が初めて」(ソニックウォール・ジャパン代表の藤岡健氏)だという。
海外では、独立した昨年11月からSecurityFirst パートナープログラムがスタートしており、150日間で1万社が登録。そのうち2000社は新たに迎えたパートナーであるそうだ。
SecurityFirst パートナープログラムの概要
パートナー向けの教育プログラムである「SonicWall University」の提供も始める。ソニックウォールのWebサイト上で、セキュリティに関する様々な知識を学べるもので、「地域に合ったローカライゼーションを行っていきたい」とアジアパシフィック&ジャパン バイスプレジデントのスコット・マクレディ氏は説明した。