ジュニパーネットワークスは2017年2月20日、企業のハイブリッドクラウド/マルチクラウド環境の構築と管理を簡素化するというデータセンター向けフレームワーク「Juniper Networks Unite Cloud」を発表した。
ジュニパーは2015年からUniteのブランド名でエンタープライズ向けアーキテクチャを展開している(関連記事:企業ネットワークの「フラット化」で“悪夢”から管理者を解放!?――ジュニパーが「Juniper Unite」を発表」)。Uniteの狙いは、非常に複雑化したネットワークに、シンプル性とセキュリティ、自動化をもたらすことにある。
最初に発表されたのがキャンパス向けの「Unite Campus」、次がブランチ向けの「Unite Cloud-EnabledBranch」。今回のUnite Cloudは「Uniteファミリーの最後の部分を構成する仕組みだ」と開発・イノベーション(JDI)担当コーポレートバイスプレジデントのアーメッド・ゲタリ氏は説明した。
「Uniteは2015年から存在するが、これまでのところ、あまり有名なブランドにはなっていない」とゲタリ氏は率直に語ったが、最後のピースであるデータセンター向けが揃ったことで、いよいよ本格的にUniteを推進していくことになる。
Juniper Uniteの概略 |
Unite Cloudの4つの柱企業は今や、自社のプライベートなデータセンターを管理するだけでは済まない。AWSなどのIaaS/PaaS、Office 365などのSaaSといったパブリッククラウドもあわせて利用しており、ITインフラの管理は非常に複雑化している。ハイブリッドクラウド化/マルチクラウド化が進展するなか、このままではさらなる複雑化が避けられないが、これを簡素化しようというのがUnite Cloudである。
では、具体的にUnite Cloudは何を実現するのか。ゲタリ氏は、Unite Cloudの4つの柱を紹介した。
Unite Cloudの主な特徴 |
まずは「セキュリティ」である。ジュニパーは「Software-Defined Secure Networks(SDSN)」というセキュリティプラットフォームを発表しているが(関連記事:ジュニパー、内部侵入した脅威を自動ブロックできる「Software-Defined Secure Networks」)、Unite CloudもSDSNのコンセプトを包含。ユーザーが定めたポリシーに従い、セキュリティを自動化できる。
具体的には、設定したポリシーによって、ファイアウォールだけではなく、レイヤ2/3スイッチでも不正通信を自動で遮断するといったことが可能だ。今回、CASBやアクセスポイント、エンドポイントセキュリティベンダーとのパートナーシップも発表され、さらに包括的なセキュリティを実現できるようになった。
SDSNの新たなパートナーシップ |