クラウド名刺管理サービスのSansanは2017年2月1日、同社が実施した「働き方改革」に関する意識・実態調査の結果を発表した。
働き方改革というと、長時間労働の是正が今まさにクローズアップされているところだが、Sansan 取締役 Sansan事業部長の富岡圭氏は、「長時間労働の是正は、労働生産性と密接に関係している」と指摘。さらに「Sansanのサービスを導入する企業の大半が、生産性向上を目的にしている」とも述べたうえで、「一般の企業が生産性を向上させるためには、どういう行動をとるべきか。オフィスワーカーの働き方改革の実態を明らかにしたいと調査を行った」と今回の調査の目的を説明した。
同調査は、企業に勤めるオフィスワーカー1035人を対象に、オンライン上でのアンケートにより今年1月16日~17日に実施されている。
働き方改革が進まぬ理由の筆頭は「経営者」まず働き方改革の必要性についてだが、83.3%のオフィスワーカーが「働き方改革は必要」と回答した。ただその一方で、必要と答えたオフィスワーカーが勤める企業の65.5%は、まだ働き方改革に取り組んでいなかった。
その理由のトップに挙がったのが「経営者が取り組む必要性を感じていない」から。次いで、「社内の労力がなく取り組めない」「何に取り組んで良いかわからない」という理由が続いた。
「まだまだ暗中模索の状態であることを如実に示している」とSansan事業部 マーケティング部 ワークスタイルエバンジェリストの志賀由美子氏は語った。
では、すでに働き方改革に取り組んでいる企業は何をやっているのだろうか。一番多かったのは「残業時間の引き下げ」だ。「特に経営者から『若手を早く帰らせるように』といった指示が出ている企業が多い」(志賀氏)という。
しかし、業務自体を改革せず、単に残業時間を減らすだけでは、業務に支障が出るのが当然である。実際、今回の調査では、42.9%の人が業務に「支障あり」と答えた。具体的には、「帰宅後のサービス残業が増えた」という回答がトップになっている。
「業務量全体が変わるわけではないので、家に持ち帰って仕事している。“見えない”残業時間になっただけだ」(志賀氏)