トヨタ自動車の燃料電池自動車と、ベンチャー企業が開発する“布製”のクルマ――。
東京ビッグサイトで2016年12月14-16日に開催された「SEMICON Japan 2016」の特別展「WORLD OF IoT」の一角に、とても対象的な2つのクルマが並んで展示された。
トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」。水素を充填し、社内で発電しながら走行する
一方は、トヨタが2014年12月に発売した、量産型として世界初となるセダン型燃料電池自動車「MIRAI」。ガソリンではなく水素を充填して走る、その名の通り最新技術を惜しみなく投入した“未来のクルマ”だ。ちなみに納車時期は2019年の予定で、同社Webサイト掲載の希望小売価格は723万6000円(税込)である。
その隣にブースを構えていたのは、リモノ。展示されていたのは、超小型モビリティの「RimOnO(リモノ)」だ。着せかえが可能な布製のボディ、交換可能なバッテリー(予定)と、クルマの常識を打ち破る仕様になっている。
開発中の超小型モビリティ「RimOnO」
超小型モビリティは、自動二輪車と軽自動車の中間に当たる電動小型車のことで、高齢者の移動手段や、小口配送などの用途が期待されている。なお、今回展示されていたのはデザインモックであり、同社では、超小型モビリティに関する法規制をにらみつつ開発を進め、2018年の販売を目指すという。
現時点ではあくまで目標値となるが、RimOnOの最高速度は45km/h、航続距離は50kmで、乗車定員は大人2人(または大人1人+子ども2人)。100万円での販売を目指す。
非常に対象的なこの2台のクルマ、実用化するには「IoT」が不可欠と言ってよい。通信機能がその利便性を大きく左右するからだ。